12/10 (木) くもり
同じ大学の affiliate hospital の一つで講演会があるというメールをもらい、朝8時からだったが出かけてきた。
その病院はダウンタウンの真ん中にあるので、アパートから近く歩いて15分位だった。
その隣が教会で、クリスマスシーズンということでイルミネーションできらきらしていたが、病院はそれどころではなく、本当にもうギラギラしてまばゆい感じだった。
講演会が終わって病院を出ることにはすっかり夜が明けていたのでイルミネーションは消えていたのだが、無数にある星型の飾りの真ん中にそれぞれ1個ずつ各企業名が書いてあるのが見えた。
麻酔のモニターで有名な某社の名前もあった。
このイルミネーションは各企業・団体の協賛があればこそで、額は正確には覚えていないが何年間かで十数ミリオンドルと書いてあったような気がする・・・が忘れた。
あのまばゆい灯りで患者さんや家族が元気づけられればいいが、まあこれもカナダの文化ということなのだろう。
日本の自分とこの大学病院がイルミネーションでいっぱいになって、星型の真ん中に「○○株式会社様」なんて書いてある札が無数にぶらさがっているなんて、とても想像がつかない。
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肝心の講演会は、Eisenmenger 症候群に関するものだった。
Eisenmenger 症候群の患者は、平均で52.6才まで生存すると報告されているが、50才以上まで生きるには専門医による適切な治療が必要となる
非心臓手術での周術期の死亡率は7%とのこと (Webb G et al. JACC 2008)。
非心臓手術は専門の施設で受けるべき・・・ということだった。
妊娠73人中、operative delivery が44人で、死亡率は52%。
なんと半分以上が亡くなっている。
時期としては、中間値が術後5日とのこと。
妊娠・出産に伴う死亡率が高いので、避妊の方法をカップルに指導することが class I で推奨されているとのことだった。
最近の内科的治療法としては、prostaglandin analogue, phosphodiesterase type-V inhibitor, endothelin receptor antagonist が挙げられていた。
周術期の成績が悪いのであれば、手術法や麻酔法、術後管理方法の話を聞きたかったが、それらにはほとんどふれられずじまいで、自分としては残念ながら今ひとつな内容だった。
内科系のドクターにとっては輸液量、抗凝固療法などについては関心があっても、麻酔関連薬剤が循環系にもたらす影響やモニタリングについては興味が薄いところなのかもしれない。
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