2010年6月30日水曜日

データ収集・・・作戦変更

6/29 (火) 晴れ
アパートで生活する残り日数・・・あと34日
 
疫学研究で現在、医療端末と紙媒体の診療録の両方からデータを集めているが、紙媒体の方が効率が悪くて進みが遅い。
一つには診療録の閲覧を申請してから揃うまで短いと半日だが、長いと4~5日かかることがある。
これでは永遠にデータ収集が終わらない。
 
今朝の時点でも、土日を含めて5日間待たされていた。
それで痺れを切らしてさりげない催促のメールを送ったのだが、意外にもすでに揃っているという返事が来た。
自分の研究用の診療録を管理してくれる E さんが休みの間に、他の人が揃えてくれたらしい。
診療録が揃ったのは嬉しいが、ずいぶん時間を損したような気がしてならない。
 
紙媒体の方は相当急がないとまずいので、嫌われない程度に E さんにコンスタントにプレッシャーをかけ続ける必要がありそうだ。
また、医療端末と紙媒体の両方から拾えるデータに関しては、積極的に医療端末を利用することで紙媒体に費やす時間を節約しなければならないとも思う。
 
インターネット空間に流すほどのたいした情報ではないのだが、備忘録として残しておきたいと思った次第。

2010年6月29日火曜日

苦労が英語力を創る

6/28 (月) くもり
アパートで生活する残り日数・・・あと35日
 
アパートで苦痛なのが主に人間関係であることはすでに書いた。
今もフランス人とコリアンが、共有スペースをめぐって争いを展開している。
コリアンが友達を連れてきてこれから夕食を楽しもうというところで、フランス人たちが先にテーブルを占拠してしまい場所を譲らないのだ。
 
しかし苦痛なのはユニット内の人間関係だけではない。
以前に書いたように、洗濯と乾燥が苦労を伴うこともまた事実である。
このアパートにはユニットが6つあり、それぞれのユニットに4部屋あって1部屋あたり1~2人住んでいることを考えると、洗濯機と乾燥機が1個ずつしかないというのは無理があると思う。
 
しかも24時間いつでも使えるのならまだしも、洗濯室の横にさらによけいに人を住まわせていることから、午前8時から午後10時までという制約がついている。
以前はこのルールが午前10時から午後8時だった。
誰かが文句を言って、変更させたのだろう。
 
今日は山のような洗濯物を持った女性が、自分のほんの5秒前に洗濯室に到着したがために、それから延々と数時間待たされることになった。
一人で洗濯機と乾燥機を占拠し、何サイクルもまわし続けるのだ。
週末はそういうすることをする人が多いように思うが、月曜では初めてだった。
 
今は洗濯機を使うだけで乾燥は部屋でするから・・・といったようなことを交渉し、途中に割り込ませてもらった。
その女性が「45分後に来て」と言うので、ちょっと早めの30分後に行ったのだが・・・。
 
なんと別の女性がまた山のような洗濯物を抱えて、洗濯室の前で待っているではないか!
その女性が前の女性と関係があるかどうかわからないし、自分が次に使うことになっているとは知るはずもないだろう。
 
仕方がないのでその女性とも、洗濯の順番をめぐって交渉をすることになった。
基本的な作戦としては、自分が数時間待たされていること、45分後に来いと言われたので今来たこと、乾燥はしないので洗濯だけすることを強調し、彼女にはあとの順番にまわってもらうようにお願いした。
しかもさらに全然関係ないところから、洗濯物を抱えた男性が割り込もうとしたものだから、そいつは容赦なく駆逐した。
 
これらのことは当然英語でやらなければならないわけで、望むと望まざるとにかかわらず、こういうことを通して自分の英語力を少しずつ創り上げることになるわけだ。
昔、MRI の実験で経験したように、苦労したことしか身につかないのだ。
 
自分はこういう瑣末な生活の中で英語力を身につけているが、自由恋愛が許される独身者たちは、きっともっと別のことで楽しく揉まれながら、別の苦労を味わいつつ英語力を身につけているにちがいない。
洗濯物や夜の睡眠をめぐる争いを通して英語力を身につけているっていうのはなんとも情けない話だが、まあ認めたくないながらもこれがバンクーバーでの現実なので、とりあえず備忘録に残しておくことにする。
 

2010年6月28日月曜日

「字幕あり」は遅い

6/27 (日) くもり一時雨 夕方から晴れ
アパートで生活する残り日数・・・あと36日 
 
こちらで観るテレビには、英語の字幕がついていることがある。
たぶん、自分も含めて英語を本当の意味で理解していない人が大勢いるからなんじゃないかと思うけど。
たとえ英語でも、字幕があるととても助かる。
特にスポーツ番組では、理解が10倍ぐらい良くなるように思う。
 
テレビにそういう設定があるのかどうかはよくわからない。
行きつけのモントリオール銀行のテレビ付きだが、残念ながら今のアパートの自分のユニットの共有スペースにあるテレビは字幕がない。
 
今日、共有スペースのテレビでメキシコ対アルゼンチンの試合を観ていた。
試合はアルゼンチンの猛攻が続いており、何度もメキシコ側のゴールが脅かされるシーンが続いた。
自分としてはメキシコを応援したのでそのたびに思わず「うわ~っ」と声が出てしまうのだが、おもしろいことに自分の叫び声から数秒遅れてメキシカンが自分の部屋で叫ぶことに気づいた。
 
ハーフタイムになってメキシカンが部屋から出てきたので何をやっていたのかと訊いたら、やはり同じ CBC を観ていたと言う。
「同じもの観てるのに、叫ぶのが数秒遅いよ」と言ったら、彼は「???」という感じだった。
彼の部屋のテレビを見せてもらったら、うらやましいことに巨大液晶テレビで、しかも字幕つきだった。
両方のテレビを直接比較したわけではないのだが、どうも字幕つきだと数秒遅れて放送が進むようだった。
 
後半はメキシカンの部屋で観戦した。
メキシカンの意見は多少違うのだが、自分の目からするとアルゼンチンは防御が優れていて、メキシコの FW を自由にさせない感じがあった。
 
これでフランス・韓国・メキシコが敗れたので、このユニットで生き残っているのは日本のみ。
こっちの火曜日は、みんな応援してくれるらしい。
本田のフリーキックは、メキシカンやコリアンにも強烈な印象を与えているようである。
 

2010年6月27日日曜日

意外とインテリだったメキシカン

6/26 (土) 晴れのちくもり
アパートで生活する残り日数・・・あと37日
 
右の写真はイングリッシュ・ベイの夕暮れ。
雲に隠れてしまって、残念ながら日没を写真におさめることができなかった。
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「暑い、暑い」と言いながら、昨日はアパートのバルコニーでメキシカンと2人きりでじっくりと話す機会があった。
最初は家族のこととかたわいもない話をしていたのだが、なぜか話題がトロントで行なわれている首脳会議に移っていった。
彼はニュースをかなり熱心にフォローしているらしく、自分が知らないことをたくさん知っていた。
 
あまりの無知に恥じ入り、日本語のニュースで彼の言っていることを理解しようとしたのだが、CBC では大きく取り上げられているようなことでも、朝日新聞のウェブサイトではほとんど載っていないことに気づいた。
日本全体がW杯で盛り上がっているのはわかるが、首脳会議関係の特集もきちんと組んでほしいものだ。
でないと、ますます無知になる。
 
さらに金融や銀行の話へと流れ、彼がすすめてくれたのが”Money As Debt”という動画。
http://video.google.com/videoplay?docid=-446781510928242771#
メキシカンが「銀行が企業や個人に貸す金はどこから来ているか知ってるか?」と訊くので「そりゃあ、預金者の預金でしょ」と答えると、彼は嬉しそうに首を横に振りながらこのビデオを薦めてくれた。
 
金融関係の話は難しく、一度では理解できなかったので今朝も繰り返し見て、なんとか理解することができた。
なんか危うい世界に生きてるな~っていう感じがする。
世の中に存在するお金のほとんどがバーチャルなものだったとは、考えたことさえなかった。
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コリアンの部屋から明け方、目覚ましがずーっと鳴り続けていた。
朝7時からの韓国戦を観るためにセットしたのだろうが、眠りが深くて起きられなかったのだろう。
残念ながら韓国は負けてしまった。
コリアンは月曜日は日本を応援してくれるらしい。
 
スタンレー・パークに行く途中でロブソン通りの韓国レストランの前を通ったが、朝7時半にもかかわらずものすごい人だかりだった。
テレビで韓国戦を観戦していたもよう。
今日もいつもの9 kmのコースを走り、49分29秒だった。
 

2010年6月26日土曜日

ゴミ処理とパーティの企画

6/25 (金) 晴れ
夕方になると外はまあまあ涼しいのだが、アパートの中は蒸し風呂だった。
アパートで生活する残り日数・・・あと38日
 
英会話クラブに寄ってからアパートに戻ると、メキシカンとフランス人2人が深刻そうに話し合っていた。
生ゴミの処理がきちんとされていないことと、キッチンをきれいに使っていないことに関して、対策を講じていたと言う。
その後、コリアンも交えて話し合い、週の当番が週2~3回片付けるということになった。
 
おもしろいことに議論を終始リードしていたのは最も掃除をしなさそうなメキシカンで、彼がもっともらしく、「誰かを責めたいとは思わない。みんなで協力して解決する問題だ。」などと言っているので、おかしくてしかたがなかった。
恥ずかしげもなく・・・と言うときつい表現になってしまうが、ふだんの生活態度がどうあれ議論の場では全く別の理想的な人格になってしまうのが、こちらでのありようというものなのかもしれない。
 
ちなみに自分はというと、時々、共有エリアを自発的に掃除していることに加え、昨日、自発的にゴミを片付けたことがみなの知るところとなり、不言実行の人という虚像を与えることに成功しているらしい(笑)。
実際には英語がうまくないので、「不言」になっているだけなのだが。
 
それからフランス人主導で、再びパーティの企画が盛り上がっている。
今度はハイキングなどの屋外ものになるらしい。
残念ながら今度の日曜が雨らしいのと、メキシコ・韓国(それから日本も)がW杯で生き残っているので、観戦したいなどの各人の思惑で計画が具体化していないけれども。
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このビデオは Grouse の頂上で飼われているクマ。
10000 ボルトのフェンスで仕切られており、間近で見ることができる。

2010年6月25日金曜日

半袖での出勤

6/24 (木) 晴れ
アパートで生活する残り日数・・・あと39日
 
右の写真はGrouse Grindのゴールの様子。
スタート地点とは違い、霧が濃くなっている。
人がまばらで金網もないため、正確にはどこがゴールなのかよくわからない。
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6月も終わりに近づいたが、今日初めて半袖の服で出勤した。
ここのところ涼しいため、朝夕の通勤にはウィンド・ブレーカーを着ていた。
研究室では寒いので、カーディガンを羽織っていることさえもある。
 
今朝は部屋の中が暑く目覚めた時に汗をかいていたので、今日はさすがに大丈夫だろうと思い半袖で出かけたというわけ。
しかし朝6時過ぎの時点では半袖の人は少数派で、やはり服を何枚も重ね着している人の方が多い。
 
研究室の隣の部屋(というか仕切りの中)にいる秘書さんたちも、今日は寒いだの週末くらいは夏らしくなってほしいとか、そんなことばかり言っている。
秘書さんたちの話し方に慣れてきたので、彼女たちのおしゃべりの半分くらいは理解できるようになってきた。
 

2010年6月24日木曜日

UBC の学生に医学を教える

6/23 (水) 晴れ
アパートで生活する残り日数・・・あと40日
 
右の写真はGrouse Grind の入り口の様子。
金網で仕切られているところが、日本にはない独特なものだと思う。
雪のある時期に侵入されないようにするためなのだろうが、UFCが思い起こさせられてかなりコワい。
http://www.ufc.com/index.cfm?fa=HomePage.BuildHP
この金網の前でたくさんの人たちが屈伸運動などのウォーミングアップをして、タイムトライアルに備えているというわけ。
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UBCの学生R君に研究を手伝ってもらうことになったことはおととい書いた。
それで今日は彼に文献を50編ほど渡しつつ、手始めにコンピュータへのログイン方法などを教えようとした。
 
英語でいろいろと説明するのは大変なのだが、それどころか彼にはログインするためのIDがなければパスワードもないことがわかった。
倫理委員会がR君を研究チームに加えることを承認すればおそらくIDも発行されるのだろうが、時間はどれくらいかかるかわからない。
早いといいけれど・・・。
 
R君は当然、麻酔用語どころか病名さえもそんなに知らないはずなので、いろいろと教えてやらないといけないだろう。
「高脂血症って何ですか~?」って訊かれた時に、はたして英語でスラスラ説明できるだろうか?
お互いに辛抱が必要になるだろう。
電子辞書持参でがんばるつもり。
 

2010年6月22日火曜日

サマー・セミナーの学生

6/21 (月) くもり 夕方から晴れ
アパートで生活する残り日数・・・あと42日
 
指導教官と打ち合わせがあったので、今朝は久々にオペ室へ行った。
見慣れない人がいると思ったら実はサマー・セミナーの学生で、自分の疫学研究を手伝ってくれるとのこと。
UBCの1年目が終わったところで、9月から2年生なのだそうだ。
 
麻酔や手術のことは何もわかっていないような様子だったが、悪筆のカルテを解読してくれる医学関係のネイティブが手を貸してくれることは、とても心強い。
それにしてもいくら夏休みが長いとはいえ、大学生相手に夏に6週間もセミナーをやるなんて、かなりやりすぎなんじゃないかと思うけど・・・。
 
夕飯のあと、夏至近くの夕日を撮りにイングリッシュ・ベイへ散歩。
海には雲ひとつないのに、ちょうど太陽が沈むあたりだけに厚い雲が垂れ込めていた。
撮ろうと思ってカメラを持っていくと、なかなかうまくいかないようだ。
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下は昨日のビデオの続き。
斧を投げて的に当てているところ。
 

2010年6月21日月曜日

Grouse Grind

6/20 (日) くもり
アパートで生活する残り日数・・・あと43日
 
天気は今ひとつだったが、晴れるという天気予報を信じてGrouse Grindに初挑戦してきた。
http://www.metrovancouver.org/region/grousegrind/Pages/default.aspx
シーバスでノースバンクーバーに渡り、Lonsdale Quay Bayから236番のバスで一路グラウス・マウンテンへ。
霧雨が降る中、登りはじめた。
 
最初は階段を昇るような感じで楽なのだが、途中から傾斜がきつくなりしかも足元が悪くなってくるので、はいつくばるように登るようなところもあった。
日本から持ってきた軍手が役に立った。
途中、少しずつ休みながら登ったが、後ろからものすごい身軽な格好でどんどん抜いていく人たちがいた。
平地を走るより、まちがいなくずっと苦しい。
 
スタートは金網があるのでわかりやすいのだが、ゴールは正確にはどこなのかはよくわからなかった。
Grind Timerと書いてあるところがゴールだったとすると、所要時間は1時間13分30秒くらいだったと思う。
ホントに自分との闘いって感じ。
 
寒いのに汗がだくだくだったので着替え、頂上付近を散策した。
霧が濃くて、数十メートル先は見えないくらいだったけど。
Lumberjack Show というパフォーマンスがあったので、その様子をビデオに収めてきた。
いろいろなことを喜劇仕立てにやるのだが、木を斧で削りながら上に登って行くのはすごいと思う。
人が乗っている板が落ちやしないか、ヒヤヒヤした。
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アパートに戻ると、コリアンの彼氏の21才の誕生日(の正確には2日後)ということで、巨大なケーキをいただいた。
その後、彼らとはいろいろ話したのだが、彼らは日本のドラマ(「花より男子」とか)やお笑いのユー・チューブ(ジミー大西が”21”のことを「テンテンワン」と言ったりするやつ)をよく観ていて、日本語も結構わかってるし、向こうは案外こっちのことを近い国だと思っているのかもしれないと思った。
 
彼らには韓流ドラマの俳優たちに関する「基礎知識」を教えてもらった。
理由はよくわからないが、どうも彼らには冬ソナのチェ・ジウあたりは評判がよくないようで、そのかわりキム・テヒがイチオシみたいだった。
http://contents.innolife.net/listt.php?ai_id=3325
確かに美人だし、しかもソウル大学に通うくらい賢いお嬢さんらしい。

2010年6月20日日曜日

最後のボランティア

6/19 (土) 晴れ
アパートで生活する残り日数・・・あと44日
 
今日、日本語学校で生徒たちの卒業式があり、同時に学校が夏休みに入った。
しばらくはボランティアも休みとなるわけで、留学延長が認められると次に日本語学校に行くのは9月半ばということになる。
延長が認められなかった場合は、実は今日でみなさんとお別れだったというわけですね・・・(涙)。
 
一年で一番昼間が長く、しかも雨が降らない時期なので、これからの土曜日は外を出歩いたりできれば遠出したいとも思う。
が、その一方で締め切りのある仕事をいくつかかかえており、やはりワーホリ(ワーカホリック)状態にならざるをえないか・・・とも懸念している。
 
夕飯のあとイングリッシュ・ベイまで散歩し、海辺で読書した。
夕焼けの中、山に日が沈む様子があまりにも美しく、カメラを持って来なかったことをものすごく後悔した。
できれば近いうちに、一年で一番北寄りの日没の光景を写真に収めたい。
 

2010年6月19日土曜日

AVSS とは・・・

6/18 (金) くもりのち晴れ
アパートで生活する残り日数・・・あと45日
 
今朝も7時から診療録からデータを拾いに出かけた。
最近気になっていたのは、診療録のいたるところに”AVSS”という記述があること。
 
インターネットで調べてみたら、”Afebrile, Vital Signs Stable” のことらしい。
術後の経過に問題がない場合には、日付けのあとにまず”AVSS”と書いてあるパターンが多い。
まあ、順調でなによりですね。
 
英語のカルテは最初は何が書いてあるのかさっぱりわからなかったが、さすがにもう200人以上の患者のカルテに目を通しているので、どこに何が書いてるのかがだんだんわかってきた。
意味はちょっと違うかもしれないが、「読書百遍意自ずから通ず」ってやつかな。
 
ウィキペディアによると、AVSS という日本のレコード会社があるらしい。
http://en.wikipedia.org/wiki/AVSS
おもしろいもので、レコードを売っていなくてもレコード会社と呼ぶようなのだ。
 
あさっては父の日ということで、家族から電話あり。
全く意識していなかったので驚いたが、それだけに嬉しかった。
 

2010年6月18日金曜日

木曜会

6/17 (木) くもり
アパートで生活する残り日数・・・あと46日
 
夕方、英会話クラブで K 君と待ち合わせて、木曜会という集まりに初めて連れて行ってもらった。
日本人と、日本に関心のあるカナダ人が集まっていた。
全部で30人ぐらいだろうか。
中には英会話クラブで時々会って話す人もいた。
 
たくさんの人たちと話せば良かったんだろうけれども、一人一人と数十分ずつ話していたので、今日は多くの人たちと知り合いになるというわけにはいかなかった。
英会話クラブはワーホリとか若者が中心だが、今日の集まりは平均年齢は高めなので、どちらかというと今日の方が共通の話題を持ちやすかったように思う。
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今朝は午前4時半キックオフでアルゼンチン対韓国の試合があったが、今日はコリアンたちはメキシカンとは一緒には観ていなかったようだ。
http://www.cbc.ca/sports/soccer/fifaworldcup/teams/southkorea/index.html
メキシカンの部屋から、彼の叫び声が時々聞こえてきただけ。
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今までずっと患者の診療録の取り寄せを頼むと3~4日かかっていたのに、なぜか今日は半日で準備してくれた。
しかもなぜか、自分のところに来た準備ができたことを知らせるメールには、職員同士のメールの内容が転送という形で載っていて、"Another file ..." (またリストが来たよ・・・) という文言がもろに書いてあった。
 
まだ診療録からのデータ収集は 1/6 も終わっていない。
診療録係のおネエさまがたは、こんなことで辟易してもらっては困る。
これからも間髪入れず、ビシビシ診療録を請求していくつもり。
 

2010年6月16日水曜日

キュウリの天ぷら

6/15 (火) 雨のちくもり 午後から晴れ
アパートで生活する残り日数・・・あと48日
 
今日の昼メシは和食を食いたかったので、Broadwayにある壱番館へ。
天丼を研究室へ持って帰り、インターネットからダウンロードした詰め将棋をやりながら食べた。
 
ふだんはごはんにエビ、かぼちゃ、にんじん、なすなどの天ぷらがのっている。
今日もそんな感じだろうと思ってなすを食べたら、いつもと違うコリコリする食感がした。
ころもをはいだら外が緑色で、そこで初めてきゅうりだったことに気づいた。
きゅうりの天ぷらを食べたのは、たぶん生涯初だと思う。
 
インターネットで調べると、意外ときゅうりの天ぷらがたくさんヒットする。
http://arrange.i-ra.jp/e42532.html
自分が食べたのはきゅうりをまっぷたつに矢状断にしたもので、こんなふうにジャバラにはなってなかったけど・・・。
 
食べた時はカナダならではの料理だと思って感激したが、実はそんなことはなかったようだ。
 

2010年6月15日火曜日

速達料金 53ドル也

6/14 (月) くもりのち雨
アパートで生活する残り日数・・・あと49日
 
日本の大学を休職してなおかつ給料の一部を受け取るために、フェローシップの指導者に招聘状を発行してもらった。
それを日本に送るため、昼メシも兼ねて郵便局に出かけた。
 
何となくだが自分にはカナダの郵便は今ひとつ信用できないというイメージがあり、それでも速達にすればきちんと届く可能性が高くなるかもしれないと思い、"Express mail" で送ろうとした。
すると郵便局員が言うには、なんと「フィフティスリー ダラーズ」かかると言う。
 

思わず「えっ」と、日本語で訊き返してしまった。
「フィフティ」と「フィフティーン」を聞き間違えるのはよくあることだが、この場合は違うよなあ・・・とかいろいろ頭の中でゴチャゴチャと考えたりしたが、どうにも信じられない。
あまりにも高すぎる。
 
封書を速達で送るのに本当に 53 ドルもかかるのかと、何度も同じことを質問してしまった。
そのたびに局員は同じように答えていた。
しかも真顔で。
 
しかたがないので、普通郵便で送った。
その場合は、税込みで1ドル79セント。
 
ひょっとしたらからかわれたのかと思い、病院に戻ってから秘書さんに尋ねてみたところ、インターネットで調べてくれた。
その画像を添付したが、やはり速達は 53ドル。
Registered mail をオプションとしてつけると 12.95 ドルなので、確実な配達のためには registered mail を選ぶのが最善手だったのだろう。
また一つ学んだ。
 

2010年6月14日月曜日

硬膜外と一側肺換気

6/13 (日) 午前中はくもり一時小雨 昼から晴れ
 
日本に戻っていた時は全く身体を動かしていなかったので、とても体がなまる。
日本でストップウォッチ付きの腕時計を買ってきたので、今朝はそれをつけて走った。
 
W Georgia がわの入り口からスタンレーパークを反時計回りに一周し、Denman まで約 9km の道のり。
途中から小雨が降ってきた。
タイムは 52分23秒。
 
ふだんはライオンズ・ゲート・ブリッジをくぐる頃には苦しくてしかたがないのだが、今日はなんか楽だった。
いつもよりゆっくりのペースで自分を追い込まなかったために、ふだんよりタイムが遅かったのだと思う。
 
朝食のあと、病院へ。
ここのところ日本でやり残した論文を仕上げたり、麻酔科学会の準備で時間がとれなかったのだが、それらが終わったので久々に総説に取り組むことができた。
硬膜外麻酔と一側肺換気中の酸素化の関係についてはすでに書き終えていたのだが、Anesthesiology の5月号に今までの流れを変えるような論文 (Xu Y et al. Anesthesiology 2010; 112: 1146-1154) が載っていたために、ほぼ全面的に書き直すことになってしまった。
 
この研究では硬膜外麻酔が一側換気中の酸素化に与える影響を調べるために、硬膜外腔に投与する局所麻酔薬濃度によって患者を群分けしているのだが、よく肺外科患者を120人も集めたものだと思う。
濃度と酸素化の関係が重要だというのはこれまでの流れからすればその通りなのだが、ここまで徹底してデータを集め、しかもきれいなデータが得られている点に感心してしまう。
 
しかし残念ながら、濃い局麻を投与することで酸素化が阻害されることについて、この論文では機序の説明が不十分なように思う。
肺血管を支配する自律神経の径が細いということを考慮すれば、HPV が関与するというのなら薄い局麻でも効果が出ないといけないのではないだろうか・・・?
 

2010年6月13日日曜日

勝者の余裕?

6/12 (土) 晴れ
アパートで生活する残り日数・・・あと51日
 
ものすごく暖かい一日。
日差しがまぶしかった。

隣のコリアンは午前4時半に起きて、本当に観戦していたもよう。
自分は彼らの叫び声で、午前6時20分に目が醒めた。
韓国がギリシャに2対0で勝ったのだ。
うるさかったのは彼らだけでなく、外の通りの車もクラクションを鳴らし続けていた。
 
夕方コリアンたちに会った時は、韓国が勝ったといって大喜びしていた。
誰が得点したのかと尋ねたら、マンチェスター・ユナイテッドの朴智星の名前は出てきたが、もう一人は知らない様子だった。
(あとから調べたら、鹿島アントラーズの李正秀だった。)
「おめでとう」と言ったら、「日本の応援もしてやるから安心しろ」とのことだった。 
勝者の余裕かなあ?
 
夜になってから日本の試合のことを聞かれたので、月曜日のカメルーン戦だと教えてあげた。
彼らは日本の組み合わせを見て、何を思ったのか「これなら楽勝だな」と言っていた。
カメルーンがFIFAランキング19位なのを知らなかったらしい。
 
コリアンたちは日本が相当強いものと勘違いしているか、自分に気を遣ってかそう言っているようだ。
彼らによると、韓国は2002年にベスト4になったものの、その後のFIFAランキングはほとんどずっと日本の下だったらしい。
しかしここ最近2試合の直接対決は敗れているだけに、精神的には韓国が優位なような気がする。
 

2010年6月12日土曜日

W杯サッカーの裏で・・・

6/11 (金) 晴れ
アパートで生活する残り日数・・・あと52日
 
サッカーW杯が始まった。
以前に、アパートのわれわれのユニット内に出場国が揃っている(メキシコ、仏、韓、日)ということは書いたが、その時はスポーツ・バーあたりで飲みながら観戦しようということで盛り上がっていた。
しかしその時はまだ、時差のことをまったく考慮していなかった。
 
明日の韓国対ギリシャは、現地時間13時半、すなわちバンクーバーの午前4時半に始まる。
困ったことに、例の非常識なコリアンが共同スペースでテレビ観戦させろと言い出したのだ。
冗談じゃないっ!
朝4時半からアパートの中で騒ぐなんて、明らかに良識に反している。
 
常識の通じる相手ではないのだが怒っても仕方がないので、お願いだからそれだけは勘弁してねって優しく言っておいた。
リサーチャーっていう仕事は土曜も日曜も働かなきゃいけないので、生活のリズムがとっても大事なんだよ、とも付け加えておいた。
(本当は明日は日本語学校でのボランティアだが、細かいことを理解できる相手ではない。)
しかたがないのでコリアンはメキシカンの部屋で、一緒にテレビ観戦をするのだそうだ。
 
そのコリアンは計画的に動くということができないので、どうせ明朝はすんなりとは起きられないだろう。
自分が恐れているシナリオとしては今夜も夜更かしをして朝の4時半に起きられない、しかし目覚まし時計だけはユニット内でうるさく鳴り続けている・・・というものだ。
彼らは掃除当番もしないし使った鍋や皿も片付けないので、周囲に迷惑をかけ続けている。
もっともメキシカンは彼らの部屋から離れているし、彼自身は料理をしないので直接の被害は受けておらず、彼らの保護者的存在となっているが・・・。
 
そのW杯サッカーだが、17日(木)の韓国対アルゼンチンも午前4時半キックオフで、それ以外はもう少し遅い時間帯のようだ。
コリアンはメキシコの試合も同様に観戦するだろう。
韓国とメキシコのナショナルチームには特に恨みはないが、彼らが予選を突破するとこっちのストレスがさらに溜まることになるので、Group A のウルグアイ、フランス、(南アフリカはすでに試合を終えた)、Group B のアルゼンチン、ナイジェリア、ギリシャには、
全力を尽くして彼らを叩き潰してもらいたい」と思う。
 

2010年6月11日金曜日

静かになっていたアパート

6/10 (木) くもり一時雨
 
昨日はアパートが静かだったので、まあまあよく眠ることができた。
カナダや米国に来た日はたいていは時差ぼけのために夜中に目が醒めてそのまま眠れなくなってしまうのだが、昨夜は夜中に目が醒めたもののもう一度眠ることができた。
コリアンはいたはずなのだが、いるのかいないのかわからないくらい静かだった。
 
よく眠れたはずだったのだが、それにもかかわらず今日の昼間はものすごく眠かった。
こちらの午後1~2時(日本の午前5~6時)が、眠気のピークだった。
データ収集の効率がおそろしく低下した。
 
アパートに帰ったら、たまたま管理人さんと会った。
「昨日はよく眠れた?」 と訊かれたので 「大丈夫」 と答えたら、 「きっともうこれからはうるさくならないはず」 と言っていた。
 
確かに今日もコリアンは静かだ。
しかし自分がいなかった2週間にわたり、彼らは掃除当番をさぼり通したみたいなので、今後も基本的な教育を施していく必要があるように思われる。
 

2010年6月10日木曜日

長い一日

6/9 (水)くもり
 
朝は雨が降っていたが、ラッキーなことに家を出る頃となって雨が止んでくれた。
バンクーバーも同様で、機内では小雨というアナウンスだったが、実際に着いてみると全く降っていなかった。
バンクーバは気温15℃ということで、シャツだけだと肌寒い。
 
いつものことだが、時差のために一日がひどく長く感じられた。
9日夕方18時頃成田を発ち、8時間かけてバンクーバーに着いた時には9日の朝10時半なので、また一日のやり直しである。 
 
JAL はほとんど満席だった。
気のせいかもしれないが、飛行機の前の席との間隔がいつもより狭いような気がした。
窮屈だったが疲れていたためか、3時間ぐらいは寝ることができた。
 
例によって映画を3本観た。
最初の1本以外は中途半端に終わってしまったが。 Dear John (2010年 米国)は久々に観た本物の恋愛映画だった。
中東に派遣された特殊部隊の兵士との遠距離恋愛がテーマだが、ネット環境が整っていないために文通を余儀なくされるという主人公たちを取り巻く環境が、現代の若者には新鮮に映るかもしれない。
http://en.wikipedia.org/wiki/Dear_John_(2010_film)

バンクーバーでは友人関係が年下中心となっているので、日本にいたころはありえなかったことだが、なぜか他人の恋愛話にも首を突っ込むことになる。
しかもこれが、英会話の練習の格好の素材になったりもしている。
すると、自分にとってはものすごい驚きだったのだが、現代の若者はケータイ文化のために別れ話という儀式を経験することなく次の恋愛に移行しているようなのだ。
別れたい相手から電話があった時は電話に出ない・・・それが明確な意思表示だということを学んだ時は、本当にショックを受けた。
 
Mr.& Mrs. Smith (2005年 米国)はアクション映画だが、自分好みではなく途中で寝た。
http://ja.wikipedia.org/wiki/Mr.&Mrs._%E3%82%B9%E3%83%9F%E3%82%B9
 
The book of Eli (2010年 米国)は崩壊した近未来が舞台で、「北斗の拳」を思い起こさせる。
力のある者が暴力で世の中を支配する中、一冊の本をめぐって物語が展開するのだが、残念ながら着陸態勢に入ってしまったために、最後まで観ることができなかった。
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Book_of_Eli
 
アパートについてから1時間程度昼寝し、牛乳や明日の朝食などを買いに行った。
出発の日に目覚めてから30時間以上が経過し、身体は疲れているのだが、眠いんだか眠くないんだかさっぱりよくわからない。
しかもアパートのネット環境が調子良くないため、このブログのアップロードは明日になりそう。
→ 実際翌朝になった。
 

2010年6月8日火曜日

降って湧いた仕事

6/8 (火) くもり
 
フェローシップ2年目突入を控え、バンクーバーの担当教官に東京の大学へ提出するための invitation letter の発行を依頼していたのだが、それが今日になってメールで届いた。
もうまもなく日本を発つので、招聘状の日本語訳を作成して休職の同意書に記入し、急いで大学に持って行った。
 
書類の出来が不十分ということで結局は再提出が必要になったのだが、たまたま医局で自分宛ての校正刷りの入った封筒を発見してしまった。
中を見てみると渡加前に書いた "For Professional Anesthesiologists" シリーズの原稿と校正刷りで、10日までに返送してほしいと書いてあった。
 
原稿はけっこうな枚数で、自分で言うのもナンだがよくこんなに書いたものだと思う。
たまたま大学に来たために、校正をチェックすることになってしまった。
しかし気がついてしまった以上は、仕上げずにバンクーバーに戻るわけにはいくまい。
 
今日は家族といっしょにゆっくりと過ごしたかったが、そうはいかなかった。
時間はないが、出発までになんとかするつもり。
 

2010年6月6日日曜日

ごま色斑点病

6/6 (日) 晴れ
 
日本に帰ってきた時に、家の植木(アカメ)が変色しているのに気づいた。
しかも一部は落葉して、ハゲている状態だった。
明らかに病気っぽい。
ケムシの姿は見えないので、虫が食ったのとは違うようだ。
 
学会出張が終わって時間ができたので、今日は思い切って剪定してみた。
隣のおばさまは、ウチだけじゃなくて近所はみんなこうなっていると言っていた。
雨水のせいなんじゃないかとも言っていた。
「雨水のせい」って、有害物質が空から降ってきたってことだろうか?
 
それで気になったのでインターネットで調べてみた。
便利なもので、どうもこれは「ごま色斑点病」らしいということがすぐにわかった。
 
これらのサイトを見ると、どうもこの病気は「難病」らしい。
雨水などで隣近所の間で感染するとも書いてある --- さすがお隣のおばさま。
とりあえず今できることとして、こっちにいる間に徹底して剪定しておこう。
 

2010年6月5日土曜日

麻酔科学会終了

6/5 (土) 晴れ
 
6月の初めにしては、暑すぎる一日。
25年位前に麻酔器や気管チューブ、モニターを販売していたというタクシーの運転手さんが、今日は博多は28℃まで上がったと教えてくれた。
 
もっとも、学会の送迎バスの中でインドから来たという麻酔科医(大学教授)によると、博多はこれでも涼しいらしい。
インドは40℃を超えることもあるのだそうだ。
 
午前中は「周術期管理チーム・フォーラム」で、昨今の麻酔科・外科・看護事情を学んだ。
「周術期管理チーム」というのは単に医療の質と患者サービスを向上させるためだけのものと思っていたのだが、外科系医師の立場からすると彼らにとってよけいな仕事を削ぎ落とし、本来の仕事(手術などの診療)に集中できるようにするための生き残りをかけた切実な問題でもあることがわかった。
 
岡山大学の周術期管理チームはまだフル稼働ではないものの、仕事の内容としては完成型に近いように思われた。
麻酔科医、看護師、理学療法士、薬剤師、歯科医、管理栄養士がチームを組んで一連の流れの中で患者中心の医療を実践している。
特に歯科医がプラークフリーな状況を目指したり、マウスプロテクターを作っている点、薬剤師が術前中止薬の指導を担っている点、看護師が嚥下スクリーニング、禁煙・禁酒指導を行なっている点はすごすぎると思う。
http://www.okadaimasui.com/jp/patient/move/perio_guide.html
 
日本ではまだあまり知られていないと思うが、現在、特定看護師(仮称)制度の創設が進められているのだそうだ。
米国の医師助手 (PA: Physician Assistant) や診療看護師 (NP: Nurse Practitioner) には及ばないものの、この制度によって看護師ができることを増やして裁量権を拡大する方向にあるとのこと。
(両者の違い・・・ PA は医師の監督が必要だが、NP は医師から独立している)
 
米国の NP は気管挿管のみならず、動脈ライン、中心静脈ライン挿入、胸腔内穿刺も行なうのだそうだ。
さらに米国には麻酔アシスタントとしての AA (Anesthesiologist Assistant) や、昔からの CRNA (Certified Registered Nurse Anesthetist) もいる。
http://en.wikipedia.org/wiki/Nurse_anesthetist
バンクーバーの麻酔助手は気管挿管と動脈ライン穿刺は行なうものの、中心静脈ライン挿入は許されていない。
国によって、制度もさまざまなのだろう。
 
午後はリフレッシャーコースで、Difficult Airway、不整脈、腰下肢痛についてそれぞれ勉強した。
自分がいかに無知であるかを、再び実感させられた。
 
福岡に来る時もそうだったが、帰りの飛行機も恐ろしく空いていた。
3列-4列-3列の中央の4列の端っこに座ったが、その横並びの10席のうちで自分以外には一人しか客がいなかった。
今後の JAL の健闘を祈りたい。
 

2010年6月4日金曜日

PBLD 終了

6/4 (金) くもり
 
3分間という短い時間に伝えたい情報を凝縮させ、しかもわかりやすく話すことができるかどうか不安だったが、PBLD をとにかく終わらせることができた。
自分の目標が達成できたかどうか、いろいろな人たちの意見を聞きたいと思う。
 
今回は一緒に仕事をさせていただいたモデレータやコメンテータがみな一流の麻酔科医だったため、彼らからとてもいい刺激を受けることができた。
豊富な知識といい、わかりやすい語り口といい、彼らから学ぶことはとても多かった。
しかも彼らの多くは PBLD 以外にも仕事をいくつも引き受けているわけで、ポテンシャルの高さをうかがうことができた。
 
バンクーバーにいながらにして今回の仕事を進めることができたのは、助けて下さった先生方がいたからに他ならない。
特にアレルギーに関しては皮膚科医の E 先生、トリプターゼ測定や写真撮影に関しては I 先生にお世話になった。
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以下は自分の備忘録。
 
・骨折患者で D-ダイマー検査は無意味。DVT があってもなくても上昇していてしかも差がない。妊婦に関しても同様に上昇している。
・肺動脈血栓塞栓症の診断・・・バイオマーカーとして心筋型脂肪酸結合タンパク、BNP、トロポニンが役に立つ。近年ではマルチスライス CT の役割が増えている。
 
・RIFLE から AKIN へ。両者の違いとしては、Risk / Injury / Failure などの呼び方をやめて Stage 分類にしたこと、48時間以内という制約をつけたこと、クレアチニンが 0.3 mg/dl 増えただけでも AKI としたこと。
・RRT を行なうと、AKIN では自動的に Stage 3 へ。
・AKD という新しい概念 ・・・ AKI と CKD を組み合わせたもの。
 
・AKI の定義として RIFLE と AKIN のいずれを用いるべきかは、いまだに結論が出ていない。
・最近は AKIN を用いる傾向にあり。
 
・AKI の治療について。
ドパミン ・・・ 有害事象あり。
ループ利尿薬 ・・・ 予防・治療効果なし。
hANP ・・・ mortality への影響なし。Major surgery 後の RRT は防ぐことができるかも。
 

2010年6月3日木曜日

博多での麻酔科学会

6/3 (木) 晴れ
 
最近ブログを書くのがおっくうになってしまい、久々の更新となった。
カナダでは晩飯の後で30分~1時間かけてダラダラとその日のできごとを書くのだが、日本では子供たちの「『遊んで』攻撃」、あるいはお友達との「飲み」のために、なかなか時間をとることができない。
 
昨日は N 准教授と Nao さんとで、柳町一刻堂へ。
http://ikkoku-dou.com/
N 先生にすっかりごちそうになってしまった。
 
インターネット上での一刻堂の評判は「おいしい」けど「値段が高い」のだが、確かに料理はうまかった。
刺身には焦げ目はついていないのだが、ふしぎなことに口に入れると焦げてるような味が一瞬だけ広がるのだ。
これはまさにうっとりするような感じ。
 
N 先生と別れてから、Nao さんと担担麺を食いに行った。
これがまた辛い!
いつもだとスープだけ残してライスを加えて食べるのだが、もう腹いっぱいでそれどころじゃなかった。
 
今日は明日の PBLD の打ち合わせが終わった後で、地下鉄の箱崎宮前駅前にある花山という屋台に N 准教授に連れて行ってもらった。
自分の時はふつうのレモンサワーしか出てこなかったのだが、N 先生が注文した時はグラスのまわりにたっぷり塩を塗ったくった"ソルティードック”が出てきた。
お店の人によると、気に入った客にしか出さないらしい。
さすが、N 先生!
 
肝心の学会だが、午前中は偵察がてら PBLD に出席し、午後は肺高血圧症のシンポジウムに出てきた。
いつもそうなのだが、今回も自分がいかに無知かということを思い知らされることになり、いい刺激を受けた。
いつものことだが、勉強のモチベーションが沸きあがってくる。
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以下は、自分の備忘録。
 
ランチョンセミナーは COVIDIEN の気管チューブについて。
http://www.covidien.co.jp/products_services/respiratory/res03.html
・術後肺炎は意外に頻度が高く、死亡率もコストも高くなる。
・VAP には microaspiration が関与している可能性がある。気管チューブのカフのしわに channel ができて、そこから唾液が流れ込むのかもしれない。
・カフの形が通常のバレル形ではなく逆三角形になっていると、channel が途絶するらしい。
 
午前中の PBLD について、。
・戦場などでの大量出血では、RCC:FFP:PC を 1:1:1 にし、等張晶質液の投与を制限し、人為的低血圧を用いる。
・心外術後の合併症で最も多いのは心房細動で、頻度は30%程度。心房細動が起こると、死亡率や脳梗塞の頻度も上がる。
・カルペリチド (hANP) の腎保護作用が注目されている。
 
午後の肺高血圧症のシンポジウムについて。
・今までの肺血管拡張薬(カルシウム拮抗薬、プロスタサイクリン受容体刺激薬、エンドセリン受容体拮抗薬、サイクリック GMP 賦活薬)に替わり、肺血管壁の異常肥厚抑制、リモデリングに関わる細胞増殖抑制薬、抗腫瘍作用薬へと、肺高血圧の治療方針が移り変わりつつある。
・肺高血圧症の予後が良くなりつつある。フローランのみならず Sildenafil やbosentan などの combination therapy が効を奏しているもよう。
 

2010年6月1日火曜日

ゆうちょ銀行とトラベラーズチェック

5/31 (月) くもりのち晴れ
 
今回の帰国の主目的は麻酔科学会への出席・発表なのだが、以前に入手したカナダドルのトラベラーズチェックが枯渇してきたので、それを補給するという重要な任務も忘れてはならない。
為替レートや手数料が有利であり安全性も高いことから、カナダドルの持ち運びにはトラベラーズチェックを使うようにしている。
 
トラベラーズチェックの欠点としては、近所ではなかなか手に入りにくいことが挙げられる。
どこででも買えるというわけではないのだ。
9月に渡加する際には、わざわざ大手町まで出かけて行った。
 
今回はさすがにそれだけのために大手町まで行きたくないので、近所で手に入らないかどうかググってみた。
するとなんと、ゆうちょ銀行で取り扱っているということがわかった。
家の比較的そばのいくつかの大きな郵便局で、入手できそうなのだ。
 
それで今日の午後、駐車場がたくさんある郵便局(ゆうちょ銀行)に行ってみた。
係員はトラベラーズチェックには全く慣れておらず、マニュアルを読みながらの対応となってしまった。
 
それでも手に入れば良かったのだが、その係員は片手で持ち運びのできる小型の金庫を開け、中を覗き込んでその一部を指差し、「カナダドルはここからここまでなんですよ」と言いながら、おそろしく少ない在庫しかないことをほのめかした。
目標額には全く及ばない。
ついでに他の郵便局にも電話をかけてもらったのだが、カナダドルのトラベラーズチェックに関してはどこも似たようなものなのだそうだ。

ほんの少額ならいいのだが、基本的にはゆうちょ銀行でカナダドルのトラベラーズチェックを手に入れるのはおすすめではない。
あるいは、あらかじめ保有額を電話などで訊ねてから行くのがいいのかもしれない。
民営化したためだと思うが、郵便局は仕事がぐっと増えたみたいで大変だと思う。
トラベラーズチェックの類まで郵便局が手を出す必要はないとも思う。