2010年11月20日土曜日

名人を作る雰囲気

11/19 (金) くもり一時雨、雪
 
朝出かける時、夜中に降った雪が薄く残っていた。
帰りに病院を出た時も、歩道にうっすらと雪のあとがあった。
このブログを書いている午後11時45分現在、外気温は摂氏0度。
本格的に寒くなりつつある。

先日届いた SIN のカードを秘書さんに見せ、コピーをとってもらった。
これで2年目の手続きは完了だそうだ。
昨日は来年8月までの医師免許が届いたし、もう何も心配することはなさそうである。
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日本語学校の図書館で借りてきた「一局の将棋 一回の人生」(河口俊彦著、新潮社)を読んでいる。
プロ将棋の棋士であり文筆家としても知られている著者が、同僚でありライバルでもあるさまざまな棋士たちの生きざまを描いた読み物である。
あまりにも古いのが惜しいが、人間の生き方は本質的にはそう変わらないので、時代を超えておもしろく感じられる。
 
将棋は麻雀とは異なり情報量が 100% 公開されているゲームなのだから誰にでも名人になるチャンスがあっても良さそうなのに、著者は「名人には選ばれたものしかなれない」と言っている。
ある棋士が若いうちに名人候補だと同僚(ライバル)に認められると、自然とそうなっていくような雰囲気ができ上がってくるのだそうだ。
 
そしてそのように大山、中原、谷川は本当に名人になったし、この本が出版された平成6年の時点で羽生を名人候補として挙げているのだが、実際、羽生はその後まもなく名人になっている。
ついでながら、本書では森内、佐藤、村山も同様に期待の新人として取り上げており、若くして亡くなった村山を除いた二人は名人となっているから、将棋界の場の雰囲気というのは間違いのないもののようである。
 
本書では大山十五世永世名人の生き方を、かなり辛口に描いている。
対局者は基本的には公平なはずなのだが、タイトル戦の際には大山の意向が一方的に尊重されるということが長く続いていたらしい。
日程や場所、パーティの段取りなども大山の気持ちひとつで何でも決まってしまうので、すでにその時点で相手はペースを乱されているというわけである。
 
そんな感じで大山の偉大な業績を考慮すると誰も異を唱えられなかったのだが、タイトル戦のパーティ会場で悪気もなく正論を述べたのが十六世永世名人となった中原だったというのがまたおもしろい。
そういう意味でも、彼は名人に選ばれたということになるようである。
 

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