2010年11月19日金曜日

診療録の厚さに思うこと

11/18 (木) くもりのち雨
バンクーバーから少し離れたところでは、雪が降っていたらしい。
 
診療録からのデータ採取が終わりに近づいていることはすでに書いた。
最初はカルテの構成さえよくわからなかったので気胸のような侵襲の小さい手術から始めたのだが、ついにここ数日は肺移植の診療録に目を通すまでになった。
 
侵襲の小さい手術では診療録が薄いし移植ではぶ厚いのだが、その差は自分が当初思っていたよりは大きくはなかった。
平均すると、気胸を繰り返す患者では1冊の診療録に3回分ぐらいの手術の記録が残っているのに対し、肺移植では1回で2~3冊分に相当するといったところだろうか。
 
しかし中には、肺移植で 15 冊分の記録が残される場合もある。
それは移植後にすんなり退院できなかったケースで、さまざまな合併症のために数ヶ月間以上の入院を余儀なくされたというものだ。
合併症対策がいかに重要かということを物語るものだと思う。
 
最近はこういう超ぶ厚いカルテからデータを採取することが多くなってきた。
あたりまえだが診療録は厚ければ厚いほど、データの採取は大変だ。
最初は苦労した気胸手術のデータ採取が、今ではとても楽に感じられる。
訓練の賜物かもしれないし、いわゆるプレコンディショニング効果なのかもしれない。
 

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