2010年3月31日水曜日

ANCOVA

3/30 (火) 朝は雨、昼間は一時晴れたがその後くもり
 
日本でやり残した仕事を終えるために、回帰直線の比較が必要になったことはすでに書いた。
Analysis of covariance (ANCOVA) という手法なのだが、理屈を知っておく必要があることから少し勉強した。
 
そうは言っても日本にいるわけではないので、統計の本が手もとにない。
したがって、インターネット空間に広がっている情報に頼らざるをえない。
 
「ANCOVA とは」 でググってみると膨大な数のウェブサイトがヒットするのだが、統計の専門用語や数式が出てくるだけに今ひとつ理解できないものが多い。
そんな中で秀逸だったのが東京理科大学の浜田氏によるもので、血圧と給料の関係に年令を絡ませるという具体例を挙げ、なおかつ数式のみならずグラフを使うことで視覚に訴える手法で、素人にでも理解できるようなぐあいにできている。
http://www.rs.kagu.tus.ac.jp/hamada/file/Presentation/SUGI2009tuto_ANCOVA.pdf

今まで ANOVA しか使ったことがなかったのだが、これでまた新たな技ができた・・・ような気がする。
 

2010年3月30日火曜日

鼻みずが止まらない

3/29 (月) 雨ときどきくもり
 
静岡で季節はずれの大雪が降ったらしい。
http://www.asahi.com/national/update/0329/TKY201003290347.html
関連があるかどうかはわからないが、バンクーバーも連日寒い日が続いている。
すっかり冬に逆戻りした感じがする。
 
鼻みずが止まらなくて困る。
今日はスーパーに行ってレジで支払いをしようとしたら、ティッシュの箱を差し出されてしまった。
自分のことを日本人だと知っている顔なじみの店員さんが、黙って鼻を指差していた。
 
今日はさらにのども痛い。
早く寝て養生するつもり。
去年の11月みたいに熱が出たら悲惨だから。
 

2010年3月29日月曜日

Sojun 飲みました

3/28 (日) 雨ふったりやんだり
 
最近仕事を引き受けすぎてしまったため、今日は朝から出勤した。
研究者としてこっちに来たからには、書いて書いて書きまくるのがあるべき姿だと思って、しばらくは休日も頑張ってみようと思う。
そうしないと実際終わらないし。
 
夕方は久々に地元カナディアンの A 君と会った。
コーヒーを飲みに行ったが、その後韓国料理を食いに行くという流れとなった。
 
Sojun という酒がうまいということなので、それを飲んだ。
韓国では2ドルで買えるが、こっちでは十倍近くする。
味は日本酒か焼酎に近いが、スパイシーな食事とあいまって舌が焼けそう。

アパートに帰ってインターネットで調べたら、ジンロのことだとわかった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9E%E9%9C%B2
風邪気味ということもあり、おなかがゴロゴロする。
 

2010年3月28日日曜日

不発のような Earth Hour

3/27 (土) くもり一時晴れ
 
こちらの所属している大学からメールが来て、今日の夜 8 時半から 9 時半が Earth Hour なのでぜひ参加しましょう・・・という呼びかけのためのものだった。
電気を切ることで、昨年は大学のこの時間帯の消費電力が 3.3% 減ったとのこと。
3.3 % というのは多いんだか少ないんだか微妙な数字だが、地球環境をグリーンにするための努力が重要だということは理解できる。
 
このメールには Earth Hour の活動に関する URL が載っていた。
http://earthhourcanada.org/earthhour/
参加する人はサインアップを・・・と書いてあったので、とりあえずしてみた。
 
サインアップに要した時間はわずか5分程度だったが、その間にサインアップした人の人数が 200人ほど増えているのに気づいた。
インターネットの影響力はすさまじいものがある。
 
夕食のあとでスーパーに明朝以降の食糧を買いに行き、帰ってきたらちょうど 8 時半だった。
ついさっきまで食事をしていたはずのフランスの男性カップルは、すでに部屋に引き揚げ消灯しているもようだった。
さすが・・・。
彼らはいつも夜が早い。
 
電気のない1時間は、当たり前だが長く感じた。
ハーバーセンターとかいわゆる名所に出かけて、消灯の瞬間をビデオにおさめようかとも考えたのだが、風邪気味で体調が良くなかったのでやめた。
真っ暗の部屋からダウンタウンを眺めてみると、ふだんと何も変わっていないように感じられた。
ホテルもレストランも、明かりが煌々と灯っている。
 
ニュースではカナダが協力している様子を報道しているが、自分の身の回りでは模範的なフランス人を除き、なんか今一つだったような気がする。
http://www.cbc.ca/world/story/2010/03/27/earth-hour.html
お隣のメキシコ人の部屋では、明るい部屋でいつもと同じようにテレビゲームに興じていたもよう。
 

2010年3月26日金曜日

ドメスティックなランジオロール

3/25 (木) くもりのち雨
 
ごく最近のことだが、心房細動で頻脈が続く患者がいた時に、レジデントがメトプロロールをボーラスで投与していたことがあった。
自分が日本にいた時は心房細動などの頻脈性不整脈といえば「ランジオロール」といったぐあいに、一対一対応で完全にすりこまれていたので、「ランジオロールを持続で投与しないのか」と訊ねてみた。
 
すると、「えっ、なんて言ったの?」と耳を近づけてきて、そのレジデントが一言も聞き漏らすまいという態度をとったので、こちらもはっきり「ラ・ン・ジ・オ・ロオル」と言ったのだが、全く通じなかった。
最初のラは L の発音だったと思ったのだが、ひょっとしたら R だったかもしれないと思い、「ウランジオウロール」などと言ってみたが全然ダメ。
指導医もそんな薬は知らないと言っていた。
 
インターネットで調べてみたのだが、Wikipedia にも landiolol の記載がほとんどないことに気がついた。
http://en.wikipedia.org/wiki/Beta_blocker
ついでながら、日本語のウィキペディアには全く記載がなかった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E6%84%9F%E7%A5%9E%E7%B5%8C%CE%B2%E5%8F%97%E5%AE%B9%E4%BD%93%E9%81%AE%E6%96%AD%E8%96%AC
 
はずかしながら今まで、欧米からやってきた薬だとばかり思っていた。
ひょっとして日本発の誇るべき薬ということだったのだろうか?
 

2010年3月25日木曜日

査読者の選別

3/24 (水) くもり
 
大学にいた時にやり残した仕事のうち、一つのものについてあるジャーナルに投稿した。
インターネットで投稿の準備をするのだが、今回は好ましい査読者と好ましくない査読者を選ぶプロセスがあった。
 
そうは言っても今までは誰が好ましいかなんてよくわからなかったのでこのプロセスは無視していたのだが、今回は好ましい方と好ましくない方と1人ずつしっかり選んだ。
こちらに来て半年経つが、いろいろな人と意見交換することで誰が自分の研究を支持していて、誰が敵視、あるいは見下しているかがおぼろげながらわかるようになってきた。
 
査読者を確信を持って選別できたことは、北米で学んだ成果と考えたい。
今の仕事を続ける限り、こちらで得た人間関係は今後も重要な財産となるだろう。
 

2010年3月24日水曜日

赤い桜の葉

3/23 (火) 晴れ
 
東京はそろそろ桜が咲こうかという時期だろうが、こちらではもうすっかり散ってしまい、葉桜になってしまっている。
ただ、おもしろいことに、こちらの桜の葉は茶色がかった赤色なのである。
 
左の写真は今日撮ったもの。
右は 3月1日に撮ったもので、くらべると葉の色づきぐあいがよくわかる。
 
東京の桜の葉っぱは緑色だったと思うけど・・・。
人種によってヒトの肌や髪や虹彩の色が違うように、桜の遺伝子の違いということで説明できるのだろうか?
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麻酔科学会のニューズレターに投稿する原稿がようやくできた。
原稿用紙2枚というのがどうにも微妙な量で、詳しく書こうとすると全然足りないし、簡単に書こうとするとあまってしまう。
かなり苦しんでしまった。
  

2010年3月23日火曜日

Confidentiality form 提出

3/22 (月) 晴れ一時小雨
 
日本にとっては風の強い1日だったが、JAL のジャンボ機にはそんなことは関係ないらしく、出発時はたいして揺れることもなかった。
自分が日本にいる間にサマータイムが始まっており、バンクーバーに着いたのは10時過ぎだった。
時差のダメージが1時間分減少した。
 
日本に戻ってまもなく、本当に間が悪いことに倫理委員会の承認が下り、confidentiality form を提出するようにとの催促のメールが何回か届いた。
そうは言っても身体は日本にあるのでサイン入りの書類を提出することができず、なんとか今日の昼過ぎに病院に駆けつけて提出することができた。
 
Confidentiality form というのは患者のデータなどを扱う上での遵守事項の書いてある書類であり、それに署名して提出することが義務づけられている。
内容はごく常識的なことで、必要最小限のデータのみを利用するとか、患者を同定できるような形でデータを公表しないとかといったようなことである。
研究者全員分の署名が集まってはじめて、研究が開始できる取り決めになっている。

ECFMG から連絡が来て、いまだに全ての書類の裏づけが得られないとのこと。
最初に提出してから、かれこれ7ヶ月は経過していると思うのだが。
あまりにも事務手続きが遅すぎる。
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成田からバンクーバーは8時間半なので、映画を3本観るのはちょっとキツい。
「マイレージ、マイライフ」は最後まで観ることができたが、「ニューヨーク、アイラブユー」と「ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝」は、中途半端に終わってしまった。
http://www.mile-life.jp/
http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/22267/
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id330573/
 

2010年3月22日月曜日

JAL のラウンジ

3/21 (月) 晴れ
 
帰りの便もビジネスクラスにアップグレードしたので、成田空港でラウンジを利用しているところ。
http://www.jal.co.jp/narita-t2/lounge/
無線 LAN が超強力で、「非常に強い」状態が続いている。
 
バンクーバーの JAL のラウンジはとても狭かったが、さすがに成田はとても広い。
発着便の数を反映していることになるのだろうが、以前使ったコンチネンタル航空のラウンジよりもさらに広いと思う。
こういう慣れないところに来るとついうろうろしてしまうのだが、コンセントの使える隅っこの場所を見つけ、席を確保することができた。
 
いつものことだが、空港に来ると何はともあれ生ビールを飲みたくなってしまう。
冷蔵庫の中のグラスを手に取り「ビールつぎ機」にセットしてスイッチを押すと、グラスが傾いて7分目くらいまでビールが注がれた。
そのあとグラスが水平に戻り、なんかちょっととってつけたような感じがするのだが、ビールの泡だけが盛りつけられた。
 
今回ビジネスクラスにアップグレードしたのはわずか1万マイルでアップグレードできたためなのだが、そのキャンペーンは3月いっぱいで終わるので、もう今後ここに来ることはそうないだろう。
成田を発つのはいつも夕方ということもあってついつい感傷的になりがちなのだが、今日はおのぼりさん的な高揚感のためにいつもとは明らかに違う気分だ。
 

2010年3月20日土曜日

前住職の記憶力

3/20 (土) 晴れ 風の強い一日
 
せっかくお彼岸に一時帰国したので、墓参りに行ってきた。
墓地で前住職に会うなり笑顔で、「いつ戻られたんですか?」と訊かれたのには正直驚いた。
 
前に会って渡加のことを話したのは半年以上前のはず。
立ち話でちょっと話した程度だったのに、よく覚えていてくれたものだ。
大きいお寺で檀家の数も相当あるはずなのに、それぞれの家の事情を全て把握しているということなのだろうか・・・?
 
ただ考えてみれば、檀家の誰かが突然亡くなって葬式を行なったりすることもあるわけで、故人と家族との関係をその場で泥縄式に復習するとは考えにくい。
ふだんから頭に入れているように努めている、と考えるのが妥当な線だろう。
 
銀行員の記憶力に驚いたことはすでに書いた。
自分は記憶力にはどうも今ひとつ自信がないので、やはりこういう備忘録に頼らざるをえない。
 

2010年3月19日金曜日

某国立センター病院に行きました

3/19 (金) 晴れ
 
親戚が某国立センター病院でオペを受けたので、この機会を利用してお見舞いに行ってきた。
広大な敷地をぜいたくに使ってさまざまな建物を建てているので、病院とまちがえて助産師学校の方にふらふらと迷い込んでしまうというアクシデントもあったが、最後にはなんとか着いた。
 
とにかく広い。
自分が勤務する大学病院がせまい敷地に建物を詰め込んでいるのとは、全く対照的である。
駐車場も十分すぎるスペースがあるし、タクシーの待ち合い場所やロータリーは閑散としていてもったいないくらい。
 
当たり前のことかもしれないが、病院の入り口から病棟へ歩いていくうちに、レストラン、書店、花屋、コンビニなどが全部揃っていて、患者だけでなく見舞い客にとっても便利なことこの上ない。
自分の病院は昔からずっとどこかしらが工事中で、花屋が見舞い客にとって便利な場所にあったためしはなかったように思う。
書店も決してわかりやすい場所ではなかったと思う。
 
今日会った親戚も術後の経過がすこぶる順調なもようで、病院の器が立派なだけでなく肝心の医療レベルも高そうな印象を受けた。
ドクターもナースも親切そうだったし。
自分が病気になったら、こういうふつうにきちんとした病院にかかりたいものだと思う。
 

2010年3月18日木曜日

アレルギーについて学ぶ

3/18 (木) 晴れ夕方から雨
 
今夏の麻酔科学会での学術集会を控え、昨日は都内の E 先生のクリニックにてアナフィラキシー・ショックの際の原因薬物の特定方法について学んだ。
E 先生は自分が研修医の時のオーベンで、現在は皮膚科で開業しておられる。
 
自らプリック・テストの被験者となる機会を得た。
前腕掌側に陽性コントロールとしてのヒスタミン液と陰性コントロールとしての生食液をたらし、ランセットで皮膚を刺す。
http://www.yayoi841.co.jp/product/product.cgi?cid=m0409&id=20041111114414
 
皮膚は傷ついているはずなのに、痛みを全く感じなかった。
期待通りまもなくヒスタミンの方が赤くなり、かゆくなってきた。
赤くなった場所ではなく、膨隆のできた箇所の径を測る。
 
これは誰がやっても同様にできる点で、信頼性が高いとのこと。
この点、皮内テストは技術的に難しい上に結果の解釈も困難になる。
 
アレルギーの原因薬物の特定はきわめて重要なことなので、自分としては「すでにできあがった領域」というイメージを持っていたのだが、どうやらそうではないらしい。
さまざまなテストにはつねに偽陽性や偽陰性の問題がつきまとっており、この分野自体が学問の対象だということがよくわかった。
 
したがって麻酔科医がこの分野について本当の意味で理解することは困難であるにしても、自分なりに消化した上でイメージを提示できるようにすることが重要であるように感じられた。
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おととい書いた FEV1% について、教授とのメールの往復でいろいろと教わった。
知識を自分のものだけにしておくのは惜しいので、インターネット上の備忘録として残しておきたい。
 
Gaensler の1秒率 (FEV1.0%) =(FEV1.0 / FVC)× 100 (%) 分母が努力性肺活量
Tiffeneau の1秒率 (FEV1.0%) =(FEV1.0 / VC)× 100 (%) 分母が肺活量
  
予側肺活量1秒率=(肺活量/肺活量予測値)×(1秒量/肺活量)=1秒量/肺活量予測値
これは身体障害者福祉法で障害者等級に使用されている指標で、Tiffeneauの1秒率と%VCを掛け合わせたもので、肺活量予測値に対する1秒量の比率を示すものであって、拘束性障害と閉塞性障害とを総括的に示すもの。
 
似たものとして、%FEV1.0 = (1秒量実測値/1秒量予測値)×100 (%) というのもある。
出典は「臨床検査法提要」より。
 
国際的な基準としては以下の記載がある。
GOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)によるCOPDの病期分類
GOLDの病期分類は、FVC検査における努力性肺活量、1秒量さらに、その予測値を用いて判定する。
 
FEV1.0/FVC(%)  1秒率 (1秒量/努力性肺活量)
%FEV1.0(%)  %1秒量 (1秒量/予測1秒量)
 
病期分類はこの2つの測定値から判定され、下表のような形にまとめられている。
COPDの病期分類(2003年版)
0: At Risk   FEV1.0/FVC ≧ 70%  スパイロメトリーは正常  慢性症状(咳、痰)有り
I: Mild COPD  FEV1.0/FVC < 70%  FEV1.0 ≧ 80% predicted  慢性症状(咳、痰)の有無を問わない
II: Moderate COPD  FEV1.0/FVC < 70%  50% ≦ FEV1.0 < 80% predicted   慢性症状(咳、痰)の有無を問わない
III: Severe COPD   FEV1.0/FVC < 70%  30% ≦ FEV1.0 < 50% predicted  慢性症状(咳、痰)の有無を問わない
IV: Very Severe COPD    FEV1.0/FVC < 70% FEV1.0 <30% predicted または FEV1.0 < 50% predicted で慢性呼吸不全
 
日本人の1秒量予側式(予側1秒量)は
男性 FEV1 (L) = 0.036 × 身長 - 0.028 × 年齢 - 1.178
女性 FEV1 (L) = 0.022 × 身長 - 0.022 × 年齢 - 0.005
 
1秒量の予測式 (Berglund) 
男 = 34.4 × 身長 (cm) - 33 × 年齢 - 1000 
女 = 26.7 × 身長 (cm) - 27 × 年齢 - 540
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市内の小学校が卒業式ということで、お互いに子供たちを預かったり行き来がはげしい一日だった。
近所の子供たちと遊ぶ機会があったが、ふだん会わないだけにずいぶん成長したな~と驚くことが多い。
一方で当たり前なのだが、近所のおじさま、おばさま方は全くと言っていいほど変わっていなかった。
 

2010年3月16日火曜日

FEV1% とは?

3/16 (火) 晴れ

近所の歯医者で、ほぼ半年ぶりに定期健診を受けてきた。
歯がすっきりして気分がいい。
歯間ブラシなどを使って歯のすきまのゴミをきれいに落とすようにすること、半年以上間をあけずに通うことなどを指導された。
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バンクーバーでのフェローシップが始まってからほぼ半年になるが、最近、重要なことに気づいた。
呼吸機能の指標の略称で "FEV1.0%" というのがあるのだが、日本と北アメリカの間で異なるものを指しているということである。

FEV1.0% といえば、日本では一秒率(一秒量/努力肺活量)のことを示す。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/copd2008/topics/200807/507347.html
北アメリカでも当然そうだと思っていたし、肺手術後の予想一秒率 (ppoFEV1%: predicted postoperative forced expiratory volume in 1 s) もこれを用いて求めるものだとばかり思っていた。

しかし先日、バンクーバーである指導医と話していた時にひょんなことから、スパイトメトリの FEV1% という項目が上記の一秒率ではなく、患者の一秒量を予測一秒量で除した割合を示すことを知った。
確かによく見ると、これとは別に FEV1/FVC という項目が存在する。

ppoFEV1% に関する論文の中には、誤解を招かないように定義をしっかり書いてある論文もあるのだが、一方であいまいなままにしてある論文も少なくない。
自分の印象では特に説明のない限り、北アメリカでは FEV1% は患者の一秒量を予測一秒量で除した割合ということで違和感なく受け入れられているように感じる。
 

2010年3月15日月曜日

確定申告

3/15 (月) 晴れ
 
例年だと早めに確定申告するのだが、今年はいろいろな事情のために最終日となってしまった。
予想されたことではあるが、9時半ごろ税務署に着いたにもかかわらずものすごい混雑で、プレハブの庁舎の外のみならず中まで文字通り長蛇の列となっていた。
 
ついでに納税管理人の届け出をするために書類をもらおうと思ったのだが、あいにく尋ねた人がその担当ではなく、担当者は今日は確定申告相談コーナーで働いているとのことだったのであきらめることにした。
 
夜は Nao さんと、くじ●の肉を食べに行った。
http://www.taruichi.co.jp/

2010年3月14日日曜日

確定申告のため一時帰国

3/14 (日) 晴れ
 
われながらバカバカしいとは思うのだが、確定申告のために日本に戻ってきた。
外国に暮していれば確定申告は逃れられるのか・・・などとまじめに考えた時期もあったのだが、世の中そう甘くはできていない。
http://profile.allabout.co.jp/ask/qa_detail.php/414/
もっとも、納税管理人の届け出を行なうとか税理士に依頼するとか、いくつかやりようはあったとは思うのだが。

11日(木)にバンクーバーを出発し、12日(金)に成田に到着した。
年末とは違ってバンクーバー国際空港は空いており、出国時の手荷物検査では靴を脱ぐことは求められなかった。
そのかわりノートパソコンをいつも以上に厳重にチェックされた。
 
ビジネスクラスにアップグレードした上、隣の席は空いていたため、十分にくつろぐことができた。
いつものように映画を3本楽しんだ。
The Blind Side http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%97%E3%81%82%E3%82%8F%E3%81%9B%E3%81%AE%E9%9A%A0%E3%82%8C%E5%A0%B4%E6%89%80
2012 http://ja.wikipedia.org/wiki/2012_(%E6%98%A0%E7%94%BB)
Whip it http://en.wikipedia.org/wiki/Whip_It_(film)
2012 は壮大なスケールで、ものすごくお金がかかっていそうな感じがする。
 
昨日は読者の Mizo さんと飲みに行った。
今日は子供のサッカーの練習を見に行ったりと、のんびり過ごした。
花粉が飛んでいるからなのか、日本に着いてから鼻汁がはげしい。

2010年3月11日木曜日

ガバペンチン講演会

3/10 (水) 雨のち晴れ
 
今朝の講演会はガバペンチンに関するものだった。
たいていの講演会では多岐にわたる論文を紹介し、そこからエキスを抽出するように結論を導くことが多いと思うのだが、今日はどちらかというと「効かない」という結論が最初にあって、それを支持するような素材を集めたような展開だったように感じた。
 
現在、自分の仕事と関連して胸部手術後の肩の痛みに関する文献を集めているところなのだが、昨日、ガバペンチンが無効だったという論文を読んだばかりだったので、興味深かった。
Huot MP et al. Gabapentin does not reduce post-thoracotomy shoulder pain: a randomized, double-blind placebo-controlled study. Can J Anesth 2008; 55: 337-343.
開胸手術の2時間前にガバペンチン 1200 mg を内服しても、術後の痛みやレスキューの hydromorphone の量が変わらないばかりか、副作用として鎮静度が強くなるというものである。
 
今日紹介されたペインクリニック領域の論文でも、やはり無効だったという報告は多い。
一つだけ備忘録に載せておく。
Dworkin RH et al. A randomized, placebo-controlled trial of oxycodone and of gabapentin for acute pain in herpes zoster. Pain 2009; 142: 209-217.
ガバペンチンの効果はプラセボと同程度で、オキシコドンには及ばなかったという内容である。
 
帯状疱疹後神経痛の患者のビデオが紹介されており、ガバペンチンは効かなかったかわりに少量のモルヒネが効いたというものだった。
ガバペンチンがなかなか効かないと主治医はどんどん量を増やしていくので、それにつれて声が出しにくくなる、しゃべれない、歩けない、めまいといった副作用に悩まされるようになる。
 
そうはいってもブリティッシュ・コロンビア州におけるガバペンチンの投与量は年々うなぎ登り状態で、1人あたりの消費量が約 900 mg と一定していることから、対象患者がどんどん増えているということだった。
 

2010年3月10日水曜日

カナダ・ラインと警察官

3/9 (火) 晴れ
風が冷たい1日。寒くておなかこわした。
 
今朝病院に行く時、カナダ・ラインに警察官が乗っていた。
パトロールかな・・・と思っていたら、電車のドアが閉まった瞬間、その警察官がとてもわかりやすい英語で、「これからチケットをチェックしますので見せて下さい」と言い乗客のところをまわりはじめた。
 
カナダ・ラインの職員や警察官が駅のホームで抜き打ち検査するのは見たことがあったが、電車の中でやるのは初めてだった。
2両編成のうちの片側の車両のそのまた半分くらいの範囲で、次の駅までの間に取り調べがあった。
確率としては 1/4 のはずなのに、自分も取り調べの対象になった。
 
全部で15人くらい調べられたと思うのだが、一人だけ捕まったみたいだった。
次の駅で警察官と一緒に降ろされ、いろいろと聴取されていたようだった。
 
最初から乗客に疑いをかけてこういう取り調べを行なうくらいなら、日本のように改札口をしっかり設けてそこでチェックすればいいのに・・・。
カナダ・ラインのようにきちんとした改札口がないようだと、ついうっかり誤ってパスを忘れて乗ってしまうこともあると思う。
「ついうっかり」がないような、しかも公平感を損なわないようなシステムが必要だと思う。
 

2010年3月9日火曜日

Rockstar とシンクロニシティ

3/8 (月) 晴れ
 
もう2ヶ月以上前になると思うのだが、英会話クラブで S さんという地元のカナディアンと話したことがあった。
その時彼がおもむろにカバンの中から Rockstar というエナジードリンクを取り出し、「これは見た目はビールだけど、中身はビールじゃないからね」と言いながら、グビグビ飲み出した。
見た目がいかにもビールなので、強烈に印象に残った。
http://www.rockstarenergy.ca/product.php?pdt=11
 
それからまもなく彼とやはり英会話クラブで再会したのだが、その時にやはり Rockstar の話になり、たまたま彼がかばんの中に1本持っていたことから、それをもらったということがあった。
その時に彼が、「夜は飲まない方がいいよ。興奮して眠れなくなるから。」などと言うので、飲むタイミングを逸してしまい、1ヶ月以上冷蔵庫の中で放置状態が続いていた。
 
先日、お隣のオーストラリアのカップルが冷蔵庫の掃除をしたらしいことはすでに書いた。
その時に放置状態の Rockstar を発見し、実は今日の午前中に研究室に持って行って飲んだ。
 
缶のラベルを見るとカフェインとかタウリンとかがふんだんに入っていることがわかる。
実際飲むと薬のような味がして、昔のドクターペッパーを思い起こさせる。
コーヒー味を予想していたのだが、全然違った。
とてもグビグビは飲めない。
一言で言うと、国民の平均寿命を短くしそうな味かなあ。
でもまあ、心を鬼にして根性で飲んだ。
 
夕方は牛乳を買わないといけなかったのでいつもなら Safeway に行くところなのだが、せっかくバスが Robson 通りに復活したので、今日はバスで No Frills まで行くことにした。
お惣菜が必要なわけではないので、No Frills で事足りるし。
 
するとなんと No Frills の果物売り場に S さんが!
この2~3週間全然会っていなかったのに、Rockstar を飲んだその日に会うとはものすごい偶然だと思った。
(読者の Nao さんによると、こういうのをシンクロニシティーというらしい。)
 
さっそく Rockstar の話になった。
どんな味だった? とS さんが訊くので、「強烈だった」と答えておいた。
S さんによると、Rockstar にはいろいろ種類があって、糖分が入っているのは糖が代謝されるとエネルギーが切れるらしく、no sugar である点が重要なのだそうだ。
 

2010年3月8日月曜日

Flying Canucks

3/7 (日) くもりのち雨
 
メトロタウンに買い物にいったら、ショッピングモールの中でものすごい人だかりができているのに気づいた。
トランポリンを使ったパフォーマンスなのだが、ちょっと言葉では表現できないすごさだった。
 
インターネットで検索したところ Flying Canucks というグループらしく、ちょうど 3/5~7 までショーをやっているところだった。
カメラを持っていなかったので動画は撮れなかったが、彼らのウェブサイトを見つけることができた。
http://www.upsidedown.ca/default.aspx?pageid=1&lang=en
Pictures & Videos というタブから入ると、ビデオを見ることができる。
軽々とやっているように見えるのだが、ときおり Tシャツの隙間から見える背中は真っ赤で、かなり痛々しい。
 
ところで最近、新しいビールを試してみた。
Granville Island Brewing という会社から何種類か地名にちなんだ商品が売り出されているのだが、English Bay Pale Ale を飲んでみた。
http://www.united-nations-of-beer.com/granville-island-brewing-english-bay-pale-ale.html
 
悪く言えば水みたいなのだが、のどごしすっきりでしつこくなく、これから夏にかけてはいいんじゃないかと思う。
日本人には違和感なく受け入れられるんじゃないかなあ。
キリンの一番搾りに近いような気がするが、いかがでしょう・・・。
 

2010年3月6日土曜日

回帰直線の比較

3/5 (金) 晴れ
 
日本でやり残した研究のデータ解析の一環で、複数の回帰直線の比較を行なった。
とはいえソフトウェアを買うと高いので、インターネット上のリソースを利用したのだが。
 
参考にしたのが都丸先生のウェブサイトで、
http://www.cis.kit.ac.jp/~tomaru/pukiwiki/R_ComparingRegressions.html
米国の大学のウェブサイト上にある統計用ツールhttp://bayes.math.montana.edu/Rweb/Rweb.general.html
を利用する方法が解説してあった。
 
都丸先生自身が解説している通り入力がとても複雑で、何度もエラーを発生させては入力をやり直すという作業の繰り返しだった。
なかなかうまく行かず挫折しそうになったのだが、"~" という記号を改めて打ち直すという単純な作業で何とか最後まで到達することができた。
 
あきらめずに根気よく取り組むことができたのは、以前の MRI の実験での苦闘によるところが大きいと思う。
原理がわからない、機械の操作がわからない、Linux なんて聞いたこともない、ネズミの血管に管を入れるどころかネズミに麻酔をかけたこともないなどなど、ないないづくしの中での手探り状態にくらべれば、こういうことは苦労のうちには入らない。
これも一種の、プレコンディショニング効果なのだろうと思う。

2010年3月5日金曜日

患者追跡開始

3/4 (木) 晴れ
 
現在準備中の2つの臨床研究について、一応ひと通りの文献検索が終わり、主要な総説には目を通し、自分なりに研究のバックグラウンドを頭の中で思い描けるようになってきた。
せっかくできたイメージが消えてなくなってしまわないように、近いうちに自分の言葉で文章に表しておこうと思っている。
 
片方の臨床研究に関してはすでにプロトコールを倫理委員会に提出し、判定を待っているところ。
もう一方の臨床研究に関してもプロトコールはすでに書いたので、指導医の指示待ち状態。
日本でやり残した2つの仕事のうち一つは投稿直前状態で、指導医の英文チェック待ち状態。
もう一方の仕事はデータの分析がまもなく終わるところ。

というわけで、「待ち」状態のプロジェクトが増えてしまったので、以前からやりたいと思っていた術後患者の追跡をぼちぼち始めることにした。
特にプロトコールを設けるわけではないのだが、実際に自分の目や耳で患者の回復状態を確かめ、術後合併症の研究の発展に役立てたいと思っている。
 
また、こうすることで、他の研究者の論文を何の批判もなしに無意識のうちに受け入れてしまう失敗を避けることにも役立つとも思っている。
自分の体験を通した「実感」が重要なのではないかと信じているからでもある。
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オーストラリア人カップルが掃除したからなのか、アパートの冷蔵庫の中の食料品の位置が完全に変わっていた。
「みんなは気づいていないと思うけど、私だってふだんからちゃんと掃除してるんだから!」 と昨日興奮気味に叫んでいた彼女のデモンストレーションかと思うと、ちょっとコワい・・・。
 
誰が買ったのか知らないが、数ヶ月以上前から冷蔵庫にあった「決して腐らない野菜」がきちんと捨てられていた。
また、自分が庫内のスペース(領土)を稼ぐために置いておいたダミーの荷物も、しっかり処分されてしまっていた。
どうも相手が一枚上手だったようだ。
 

2010年3月4日木曜日

臨床研究の申請

3/3 (水) くもりのち晴れ
 
臨床研究のプロトコールを倫理委員会に提出したことはすでに書いた。
それでもうやるべきことは終わったと思っていたのだが、現在勤務している病院を含む大きなヘルスケア・グループに臨床研究実施の申請をしなければならないことがわかった。
 
正確にはおそらくその申請書の提出は倫理委員会での承認後だと思うのだが、とにかくその下書きを始めたところ。
その書類はかなり細かくできている。
たとえば実際に研究を実施する場所や患者の IC を得る場所を書く欄があるのだが、それだけでなくその場所の管理者の承認が必要なようにできている。
逆に言うとその書類さえ完成させてしまえば、その後のオペ室・病棟およびナースなどとのさまざまな段取りは必要がなくなるというわけである。
 
バンクーバーで経験したこれら一連の作業については、将来的に何らかの形でまとめておきたいと思う。
これをそのまますぐに日本に導入したら、あまりにも膨大な書類のために研究活動が一時的に麻痺してしまうと思うが、日本における「行き過ぎた個人の権利の主張」を見るにつけ、北アメリカのやり方を踏襲せざるを得なくなるのは時間の問題のような気がしている。
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メキシカンの C君の音頭で、アパートの共同スペースのそうじのありかたについて話し合いを行なった。
くわしくはここには書かないが、フランス人男性カップル2人とオーストラリア人の彼を含めてまったりと話し合いが進もうとしていたところ、オーストラリア人の彼女が埒があかないと思ったのか乱入してきてしまい、その場の雰囲気が一気に変わってしまった。
 
女性は優しいのが一番だと思うのは、男のわがままだろうか?
英語圏の女性が興奮して強気に出てくると、誰にも止めることができなくなってしまうようだ。
(ただ収穫だと感じたのは、去年は彼女が何を言っているのかさっぱりわからなかったのだが、今日は彼女の言い分がよくわかったことである。リスニング力はついてきたみたいだ。)
 
日本に生まれ日本で育ち、日本人の女性と結婚できた自分の運命に感謝するとともに、その後、アパートの男たちの間には、「まあ俺たちだけでも仲良くやっていこうぜ・・・」的な雰囲気が生まれたことを備忘録に残しておきたい。
 

2010年3月2日火曜日

オリンピックのあと

3/1 (月) くもり
 
昨日は深夜にかけてずっと騒がしいダウンタウンだったが、朝になるとすっかり静まりかえっており、ようなく終わったんだな・・・という気がした。
朝の時点で Robson 通りの5番のバスは復活していたが、美術館前はあいかわらず通行止めだったので、おそらく Thurlow を右に曲る迂回経路をとっているのだろう。
 
夕方帰ってくると、片づけがよりいっそう進んでいた。
Granville 通りのランタンの周りに仕切りが設けられ、撤去が進められていた。
美術館前のスクリーンは残っていたが、周囲に囲いができていたので、撤去されるのかもしれない。
Hornby と Robson の交差点近くにあったテレビ(写真)は、あとかたもなくなっていた。
 
これからまだパラリンピックがあるのに、全部片付けちゃっていいんだろか?
オリンピックでこれだけ盛り上げといて、パラリンピックではいまいちというのでは、あんまりなような気がするが・・・。
 
先週の土曜日に撮った路上パフォーマンスのビデオを、いまさらという気もするが一応公開しておく。

2010年3月1日月曜日

オリンピック閉幕

2/28 (日) 雨のちくもり 夕方から晴れ
 
オリンピック開幕前は、カナダは地元開催で金メダルを1個も獲ったことがないというジンクスに怯えていたようだが、終わってみれば冬季オリンピックでは国別の金メダルの数が史上最高とのこと。
しかも男子ホッケーが予選で敗れた米国相手に3対2で勝って金メダル獲得ということで、カナディアンにとっては絵に描いたようなドラマチックな終わりかただったのではないだろうか。
 
地元開催でなおかつその国の国技が優勝した瞬間を目の当たりにすることは生涯ないと思い、ダウンタウンの様子をビデオにおさめてきた。
マントのような大きさのカナダ国旗をまとっている人々がいるが、日本で日の丸をこんな風にすることはちょっとないだろう。  

こちらは交差点で撮影したものだが、飛び入りがあるのでその点にも注目。



もう午後11時を過ぎているが、まだアパートの外から車のクラクションと甲高い叫び声が聞こえてくる。