2010年11月11日木曜日

「ビビリ」で思い出すこと

11/10 (水) 晴れ
 
電子カルテからのデータ収集がついに終了した。
紙の診療録からのデータは、80%ぐらいの進捗状況といったところだろうと思う。
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日本語学校の図書館で勧められて、小林信也著 「カツラーの秘密」(新潮文庫)を読んでいる。
スポーツライターである著者によると、勝負を前にしてビビッてしまう「ビビリの状態」というのは決してマイナスではなく、理想的な集中状態に入る一歩手前に訪れる歓迎すべき現象なのだそうだ。
 
つまりビビッたら自分が本気になっている証拠であり、いよいよ勝負に向かう準備が整った証しであると著者は述べている。
そのビビリを乗り越えれば、恐れを知らぬ集中状態が待っているとのこと。
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自分のことを振り返ると、当時はそういう理想的な状態だとはとうてい考えられなかったが、去年の9月、日本を発つ時は確かにかなりビビッていたと思う。
家族はもちろんのこと、友達や知り合いさえもいない外国で一人で年単位で暮らして行くということについて、考えない日は1日もなかった。
駐在員と違って、向こうで待っていてくれる誰かがいるわけでもないし・・・。
 
その出発の日、成田空港でエア・カナダのエコノミー席に乗り込んだら、前に座っていた人に席を交替してほしいと英語で頼まれた。
それは全く構わなかったので快く交替したのだが、その後でもとの席に査読を依頼されていた論文を置きっぱなしにしていたことを思い出した。
 
その論文を返してもらおうと思ったら、本当かどうかわからないがその客は医療メーカー勤務だとかということで、しつこく根掘り葉掘り仕事のことについて訊かれてしまった。
今だったらタダで自分のインチキくさい英語を聞いてもらえるんだと思って、喜んであることないこと話すのだが、当時は「こういう外人たちと毎日生活することになるのか・・・」と思い、ビビリが最高レベルに極まったのを思い出す。
 

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