2010年3月11日木曜日

ガバペンチン講演会

3/10 (水) 雨のち晴れ
 
今朝の講演会はガバペンチンに関するものだった。
たいていの講演会では多岐にわたる論文を紹介し、そこからエキスを抽出するように結論を導くことが多いと思うのだが、今日はどちらかというと「効かない」という結論が最初にあって、それを支持するような素材を集めたような展開だったように感じた。
 
現在、自分の仕事と関連して胸部手術後の肩の痛みに関する文献を集めているところなのだが、昨日、ガバペンチンが無効だったという論文を読んだばかりだったので、興味深かった。
Huot MP et al. Gabapentin does not reduce post-thoracotomy shoulder pain: a randomized, double-blind placebo-controlled study. Can J Anesth 2008; 55: 337-343.
開胸手術の2時間前にガバペンチン 1200 mg を内服しても、術後の痛みやレスキューの hydromorphone の量が変わらないばかりか、副作用として鎮静度が強くなるというものである。
 
今日紹介されたペインクリニック領域の論文でも、やはり無効だったという報告は多い。
一つだけ備忘録に載せておく。
Dworkin RH et al. A randomized, placebo-controlled trial of oxycodone and of gabapentin for acute pain in herpes zoster. Pain 2009; 142: 209-217.
ガバペンチンの効果はプラセボと同程度で、オキシコドンには及ばなかったという内容である。
 
帯状疱疹後神経痛の患者のビデオが紹介されており、ガバペンチンは効かなかったかわりに少量のモルヒネが効いたというものだった。
ガバペンチンがなかなか効かないと主治医はどんどん量を増やしていくので、それにつれて声が出しにくくなる、しゃべれない、歩けない、めまいといった副作用に悩まされるようになる。
 
そうはいってもブリティッシュ・コロンビア州におけるガバペンチンの投与量は年々うなぎ登り状態で、1人あたりの消費量が約 900 mg と一定していることから、対象患者がどんどん増えているということだった。
 

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