2011年6月22日水曜日

エレベーターに閉じ込められた

6/21 (火) くもりのち晴れ
 
ひょっとしたらバンクーバーでの自分の仕事を引継いでくれるかもしれない H 先生が、今日、バンクーバーにやってきた。
それで午前中の仕事を大幅に遅刻して、空港まで迎えに行ってみた。
 
以前から彼と彼の家族とは一緒に晩メシでも食べようと誘っていたのだが、今日は逆に彼らからお誘いを受けることになってしまった。
今回泊まっているところがホテルというよりかはコンドミニアムっぽいので、一緒に部屋で食べようとのこと。
確かにそれはいいアイデアだと思い、ワイン片手に出かけて行った。
 
着いてみたら確かにそこはホテルらしからぬところで、管理人がいる豪華なオートロックのマンションといったイメージだった。
困ったことに部屋の番号を聞いていなかったし、ケータイもその時は通じなかったので、とりあえず着いてはみたものの、どうしようもない状態になってしまった。
 
ろくろく相手にされないことは承知の上で、管理人に「H 先生の部屋はどこですか?」と聞いてみた。
向こうもプライバシーに関わることだから、そうやすやすとは教えてくれないだろうとは思っていた。
管理人はパソコンの画面を操作しつつ H 先生の所在を調べながら(調べるふりをしながら)、ここではわからないと言っていた。
 
実際は彼らが客を管理しているわけだから彼らがわからないはずがないわけだが、それをこっちが指摘したところでどうにもならないので、将棋で言うところの「もたれながら指す」方針に徹することにした。
5分ほどああでもない、こうでもないと押し問答しつつ、最後は全体を統括している管理人のところへ連れて行ってもらった。
これでようやく第一関門突破!
 
H 先生のいる建物が別棟だということがわかったのだが、入り口がロックされていて、その中へは入ることも容易ではなかった。
別の客が入る時に一緒について入り(あやしい人みたいだが)、何とかエレベーターのところへたどりついた。
 
ところが、エレベーターの中で彼らのいる階のボタンを作動しても全く反応がないのには困ってしまった。
あとから聞いた話では、住人にあてがわれる無線機のスイッチを押しながらだと、自分の居住階とロビーと駐車場の階に限ってエレベーターのボタンがきちんと反応するとのこと。
 
そんなことは知らないので右往左往していると、別の客が乗り込んできた。
彼らはきっとその無線機を押していたのだろうが、エレベーターはすんなりと動き始めた。
しかし困ったのは最後の客が降りてしまって自分だけが取り残された時で、扉が閉まってからはエレベーターは上がりも下がりもせず止まってしまい、自分だけが閉じ込められてしまったのだ。
 
あの時は本当にあせって、よほど “Emergency” のボタンを押してしまおうか悩んでしまった。
心臓がバクバクするのが自分でもわかり、脂汗が流れてくるのもわかった。
「開」のボタンを押すという発想さえも、頭の中から消えていた。
あと3分、その状態が続いたら “Emergency” を押していたと思うのだが、その時、どこか別の階で操作した人がいたらしく、またエレベーターが動き出した。
 
その後、いったんロビーの階へ戻り、全て最初から仕切り直そうと思っていたら、 H 先生がロビーへ降りてきてくれたことに気がついた。
いや~、助かった~って感じだ。
 
ここはカナダだってことをうっかりしていた。
見知らぬ空間にうっかり入ると大変なことになるのだ。
H 先生と入念な打ち合わせをしなかったのがまずいと言われれば確かにその通りなのだが、日本だとさすがに高級ホテルだろうがコンドミニアムだろうが、エレベーターに閉じ込められることはなかっただろう。
 
何でもいいから早く日本に帰りたいっ!!!!
って、正直なところ、エレベーターに閉じ込められた時は、魂の奥底から叫んでしまった。
 

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