2011年6月3日金曜日

古典講座 @ 日本語学校

6/2 (木) 雨
 
今日は病院を大幅に遅刻することにして、日本語学校の古典講座に出かけてきた。
以前からお誘いはいただいていたのだが、平日の真昼間から仕事をさぼるのは気が引けたので、ずっとお断りしていた。
 
しかし日本語学校がまもなく夏休みに入るため、今日が休み前の最後の古典講座ということ。
最初で最後のチャンスだと思い、出席させてもらった。
 
教材は万葉集の恋の歌で、
「帰りける 人来たれりと 言ひしかば ほとほと死にき 君かと思ひて」
というもの。
狭野弟上娘子(さののおとがみおとめ)の歌で、(禁じられた仲らしいのだが)恋人である中臣宅守(なかとみのやかもり)を想って歌ったものだそうだ。
 
「ほとほと死にき」というのは「死ぬかとばかりに」という意味で、島流しになった人が戻ってきたというのを聞いて宅守かと思って、死にたくなるほど嬉しくなった(けれど人違いだった)というもの。
「ほとほと」というのはおそらく、現代の「ほとほと愛想がつきた」とか「ほとほといやになった」と同様の使い方なのだろう。
 
講座のあとは先生方や理事の方たちと、医療、政治、震災のことなどいろいろお話し、気がついたら5時間以上お邪魔していることに気がついた。
食事をしたりした部屋が、初めて日本語学校に行った時に面接を受けた部屋だったことを思い出した。
 
カナダではちょっとしたボランティアをするのにも面接が必要だというのに面食らったものだが、それ以上に、何か大事件が起こったらとにかくここに駆け込めば助けてもらえそうだと思ったことを思い出す。
今ではこちらの生活にだいぶ慣れたが、当時はまわりが外人だらけで(本当は自分が外人だが)、とにかく本当に心細かった。
 

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