2009年11月19日木曜日

拡張障害に関する講演

11/18 (水) くもり 夕方から雨

今朝は U 先生による拡張障害に関する講演があった。
タイトルは"Perioperative diastology" だったのだが、"diastology" という言葉があるのをはじめて知った。
「拡張期学」とでも訳すのだろうか。

収縮が正常にもかかわらず拡張のみ異常があるのを "Isolated diastolic HF" という。
Systolic HF は男性に多いが、diastolic HF は女性に多い。

拡張期障害と予後の関係が調べられていて、E/e'>=15 の diastolic HF は有意に生存日数が短い。
周術期に関しては、収縮障害単独では予後は変わらないが、拡張障害があると術後の転帰が悪くなる。
また、拡張障害があると人工心肺からのウィーニングが難しくなるという報告がある。

Doppler tissue imaging および transmitral flow propagation velocity に関する画像提示があった。
後者によって、僧帽弁流入血流波形の normal pattern と pseudonormal pattern を区別することができる。

治療に関しては lusitropic agent が存在しないことから、拡張障害に対する特異的な治療は存在しない。
心エコーなどを用いて綿密にモニターすること、輸液を慎重に行なうこと、心筋虚血を避けるような心拍数コントロールが重要である。

ついでながら、インターネットで調べていたら拡張障害に関してとてもよくまとまっているウェブサイトを発見した。
http://medt00lz.s59.xrea.com/kakuchou/kakuchou.html

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