2009年11月15日日曜日

日本のマンガ文化

11/14 (土) くもり 夕方から雨

日本語学校のボランティアで、今日は地下の倉庫でマンガ本の整理をした。
ダウンタウンのマンガ喫茶がつぶれ、その本が大量に日本語学校に流れてきたというわけである。

マンガ喫茶が閉店前にマンガを売りさばいたということもあり、地下に大量にあった在庫は言っちゃ悪いが「文化の香りのかけらもないような」ものばかりだった。
少年~青年期に読んだ懐かしいマンガ(朝太郎伝、六三四の剣、妻をめとらば、課長島耕作 など)に出会えたのは良かったが、その他は残念ながら読む気の起こらないものばかりだった。

帰りに Robson 通りの本屋に寄って来年の手帳を買ったのだが、そのあと店内をフラフラしていたら、"Art" のセクションに大量にマンガがあった。
「カナダ人もマンガを読むんだ~」と思って近づいたら、タイトルが英語なので一瞬よくわからないのだが、よーく見ると作者はほとんど日本人なのに気づいた。

そういう目でよーく見ると、逆に日本以外のマンガはほとんど見当たらない。
翻訳されて外国で大量に売られるなんて、ジャンルは違うが村上春樹なみのような成功なんだろうと思っていたら、それらのマンガの中心に燦然と "God of the Manga" として手塚治虫の豪華本が売られていた。
もちろん表紙は鉄腕アトムだった。

会話クラブで出会う親日家の若者たちが目を輝かせながら嬉しそうにガンダムやグレートマジンガーのことを語ることからも、マンガやアニメーションは自分が思っている以上に日本の誇るべき文化なのかもしれない。
一冊の単行本を出すことなく夢破れた漫画家の卵たちもいれば、学校の地下の倉庫に眠っていたつまらないマンガの作者がいて、その上に外国で自分の作品を売ることに成功したアーティストがいるというわけである。

日本のマンガ文化はそういう過激なマンガ家たちの競争の上に成り立っており、文化人・芸術家として成功するのはほんのごく一握りなのだ。
プロスポーツなみ、あるいはそれ以上の熾烈な競争の世界なのかもしれない。

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