2011年7月15日金曜日

教育評価システム

7/14 (木) 雨のちくもり
 
日本の職場からこちらの教育システムについてなにかしら学んでくるようにとの指令を受け、最近いろいろな人に会って話をしている。
そこから受ける総合的な印象は、「教育に人と時間とカネをかけている」ということである。
「こういうのがあったらいいな・・・」と思うものが全てある、という感じがする。
 
こちらの病院の麻酔科にはいわゆる一人前の麻酔科医 (Attending) が 56 人おり、レジデントが1学年につき 12 人ずつ 5 学年あるので 60 人いることになる。
こういう大きな所帯なので、教育に携わる麻酔科医も1人や2人ではなく、多くの人たちがさまざまな形で参加しているというということになるわけである。
 
教育評価はオンラインで行なうのだが、麻酔科医がレジデントの指導を1回行なうごとに入力しなければならないのだそうだ。
ラジオボタンをクリックするだけでなく、コメントも書き込むようになっているのでかなり重労働ではあると思う。
 
指導者がレジデントに対して行なった評価をもとに各病院に1人ずついる サイト・マネージャーが総合的に判断して評価を行ない、それを全体で1人しかいないプログラム・マネージャーに提出することになる。
 
一方、レジデントの方にも指導者を評価する仕組みがある。
彼らはプログラム・マネージャーに年に2回面接する機会があり、そういう時に指導者への不満があれば吐き出すこともあるらしい。
指導する側とされる側がお互いに不満を持つという図式は国が違ってもやはり当てはまるようで、永遠の課題だと言えるだろう。
 
また、カナダのレジデント制度と日本の研修制度の大きな違いの一つに、5年間にわたる麻酔科の修練を始める決意をするのがカナダの場合は学生4年め(最終学年)の始まりということが挙げられる。
日本のように最初の2年間を広く浅くというわけにはいかないわけで、しかも研修を行なう専門分野をまだ学生生活が1年残っている時期に決断しないといけないという点が、カナダの医師の卵たちにとってはつらいところだ。
 

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