2010年5月20日木曜日

Failed spinal

5/19 (水) 雨のちくもり
 
今朝の講演会は、"Failed spinal" についてだった。
何かの手技を行なおうとしてうまく行かなかった時に、原因を検索したり対策を講じることは極めて重要なことだと思うが、わが国では今もなお手技の巧拙を論じる域を出ていないように感じる。
 
出典は主に BJA 2009 年の Fettes らによる総説だった。
Fettes PD et al. Failed spinal anaesthesia mechanisms, management, and prevention. Br J Anaesth 2009; 102: 739-748.

Failed spinal が発生したら、詳細を麻酔チャートに記載することの重要性を説いていた。
また、4% の患者に存在する Tarlov cyst がfailed spinal の原因になっているかもしれないので、イメージングによる原因検索も必要かもしれないとのこと。
 
Ruppen らによると、患者が体動(体位変換)した方が麻酔レベルが上がるらしい。
Ruppen W et al. Bupivacaine concentrations in the lumber cerebrospinal fluid of patients during spinal anaesthesia. Br J Anaesth 2009; 102: 832-838.

薬の取り違えによる failed spinal もある。
UBC の一部の関連病院では清潔なペンとシールを用意していて、清潔野で薬物の名前をシールに書いてシリンジに貼り付けているそうだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
いつものように超ボロい建物の地下で診療録をチェックしていたら、いきなり停電になった。
そしたら情けないことに、自分のノートパソコンはバッテリーが壊れているので、電源が全部落ちてしまった。
窓のない地下なので、まさに真の闇だった。
 
その部屋にはもう一人、別の研究者が診療録をチェックしていたが彼女のノートは無事で、ディスプレーの灯りのために真っ暗な部屋に彼女の顔がぼーっと浮かんでいてちょっと怖かった。
しかも自分が思わず「あっ!」と声を上げたからかもしれないが、彼女がニヤリとほくそ笑んでいた・・・のを私は見逃さなかった。
 

0 件のコメント:

コメントを投稿