2011年3月3日木曜日

ちょっと似ている麻酔科事情

3/2 (水) 雨のちくもり
 
今朝の講演会のスピーカーは指導的立場にある人(たぶん教授の一人)なのですごく期待していたのだが、困難症例を紹介しただけの「お茶をにごした」内容だったのでがっかりした。
ただ学問的内容とは別にちょっと笑えるところもあったので、患者情報をぼやかした上で書き残しておきたい。
 
ある内科系診療科がちょっとした侵襲的な治療をするので、麻酔科に鎮静を依頼してきた。
内容はよく覚えていないが、たぶんオピオイドとプロポフォールをちょこっと投与し、マスク換気している間に治療する、というような展開だったと思う。
 
治療は部分的には成功した。
しかし患者はその後、全体的に見ると治療前よりも具合が悪くなり、数日間の集中治療を必要としたとのこと。
あまりにも情報をぼやかしすぎたのでこれでは何がなんだかわからないが、まあ時々あるかもしれない話ではあるようにも思う。
 
内科系診療科の医師は患者の家族に、「治療は成功したが、プロポフォールのせいで具合が悪くなった (propofol infusion syndrome)」と説明したとのこと。
http://en.wikipedia.org/wiki/Propofol_infusion_syndrome
プロポフォールは単回投与を何回か繰り返しただけで長時間にわたって持続投与したわけではないし、臨床像も心不全はあったかもしれないが代謝性アシドーシスや高K血症などは全くなかった。
 
詳しくここに書き残せないのが残念だが、内科系医師が治療の適応を誤ったというような結論だったように思う。
何か都合が悪くなった時にまず麻酔のせいにするというのは、洋の東西を問わず「定跡」なのだということを知り、とても興味深く感じた。
 

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