2011年2月24日木曜日

肺移植講演会

2/23 (水) 晴れ
夕方はひどく冷え込み、気温は0℃まで下がった。
 
水曜日朝恒例の講演は、肺外科医による「末期肺病変に対する手術療法」というタイトルで行なわれた。
実際は肺移植に関する話が全体の9割以上で、残りの1割弱が Volume reduction surgery や Endobronchial valve などの別の術式の話だった。
 
以下に、講演内容のメモ書きを箇条書きにしておく。
 
・肺移植術は 1980 年代に始まった、比較的新しい手術療法。
 
・肺移植の効果を評価したり適応を決めるための手段として、手術した場合の生存率と待機期間中の生存(死亡)率を比較するらしい。それによると COPD 患者が肺移植を受けた場合の死亡率は待機中よりも高いらしく、肺移植を行なううまみがないとのこと。
 
・BC 州では年間 15 件程度の肺移植がある。2004年以後の1年生存率は 90.1 %(それ以前は 70~80 %程度だったように思う)と上昇傾向にある。
 
・Double lung Tx が増える傾向にある。
 
・ドナー全体の15~20 % しか肺移植に用いられていない。ドナーが気管挿管されて人工呼吸を受けるうちに、VAP を起こしたりして使えなくなるそうだ。
 
・ドナー不足を克服するために、(脳死ではなく)心臓死患者の肺が使われるようになっている。成績は決して悪くないとのこと。さらにドナー肺を最適化するために、ex-vivo で灌流する試みが行なわれている。
 
・レシピエント側の問題で手術がうまくいかない因子として、高齢、肥満、DM、ECMO 中、などが知られている。
 
・Endobronchial valve についてはウィキペディアに図入りで解説が載っており、まあまあわかりやすい。
http://en.wikipedia.org/wiki/Endobronchial_valve
 

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