2010年6月5日土曜日

麻酔科学会終了

6/5 (土) 晴れ
 
6月の初めにしては、暑すぎる一日。
25年位前に麻酔器や気管チューブ、モニターを販売していたというタクシーの運転手さんが、今日は博多は28℃まで上がったと教えてくれた。
 
もっとも、学会の送迎バスの中でインドから来たという麻酔科医(大学教授)によると、博多はこれでも涼しいらしい。
インドは40℃を超えることもあるのだそうだ。
 
午前中は「周術期管理チーム・フォーラム」で、昨今の麻酔科・外科・看護事情を学んだ。
「周術期管理チーム」というのは単に医療の質と患者サービスを向上させるためだけのものと思っていたのだが、外科系医師の立場からすると彼らにとってよけいな仕事を削ぎ落とし、本来の仕事(手術などの診療)に集中できるようにするための生き残りをかけた切実な問題でもあることがわかった。
 
岡山大学の周術期管理チームはまだフル稼働ではないものの、仕事の内容としては完成型に近いように思われた。
麻酔科医、看護師、理学療法士、薬剤師、歯科医、管理栄養士がチームを組んで一連の流れの中で患者中心の医療を実践している。
特に歯科医がプラークフリーな状況を目指したり、マウスプロテクターを作っている点、薬剤師が術前中止薬の指導を担っている点、看護師が嚥下スクリーニング、禁煙・禁酒指導を行なっている点はすごすぎると思う。
http://www.okadaimasui.com/jp/patient/move/perio_guide.html
 
日本ではまだあまり知られていないと思うが、現在、特定看護師(仮称)制度の創設が進められているのだそうだ。
米国の医師助手 (PA: Physician Assistant) や診療看護師 (NP: Nurse Practitioner) には及ばないものの、この制度によって看護師ができることを増やして裁量権を拡大する方向にあるとのこと。
(両者の違い・・・ PA は医師の監督が必要だが、NP は医師から独立している)
 
米国の NP は気管挿管のみならず、動脈ライン、中心静脈ライン挿入、胸腔内穿刺も行なうのだそうだ。
さらに米国には麻酔アシスタントとしての AA (Anesthesiologist Assistant) や、昔からの CRNA (Certified Registered Nurse Anesthetist) もいる。
http://en.wikipedia.org/wiki/Nurse_anesthetist
バンクーバーの麻酔助手は気管挿管と動脈ライン穿刺は行なうものの、中心静脈ライン挿入は許されていない。
国によって、制度もさまざまなのだろう。
 
午後はリフレッシャーコースで、Difficult Airway、不整脈、腰下肢痛についてそれぞれ勉強した。
自分がいかに無知であるかを、再び実感させられた。
 
福岡に来る時もそうだったが、帰りの飛行機も恐ろしく空いていた。
3列-4列-3列の中央の4列の端っこに座ったが、その横並びの10席のうちで自分以外には一人しか客がいなかった。
今後の JAL の健闘を祈りたい。
 

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